六甲山国際写真祭 2017 アフターリポート「「知らない」ということを知ること」 / 井上雄輔

Home/未分類/六甲山国際写真祭 2017 アフターリポート「「知らない」ということを知ること」 / 井上雄輔

六甲山国際写真祭 2017 アフターリポート「「知らない」ということを知ること」 / 井上雄輔

六甲山国際写真祭2017のレビューイとして参加した井上 雄輔です。
この度、六甲山国際写真祭に初めて参加させて頂きました。

私は学校や教室に通い、写真を学んだ経験があります。そこで教わるのは写真の撮り方や、作品の作り方など。どちらかというと、内向きの作業が中心でした。

六甲の事前審査が通り、参加が決まってからは、海外レビュアーの方々と対話しながら作品をアピールしていく外向きのスタイルに戦々恐々としていました。
そんな姿勢で臨んだ六甲山での3泊4日のワークショップ&ポートフォリオレビュー合宿。まさに衝撃の連続でした。
求められるものが、今まで学んできたものとは大きく異なります。

レビューで最もよく問われたのは、誰に対して、どのように見せ、どうやって売り込んでいくか、という明確なマーケティングのビジョンでした。
そして、自分の作品の意図を相手に伝えるプレゼンテーション能力。
さらには、それをレビュアーに伝える英語スキル。
それらは自分に不足しているものばかりで、恥ずかしながら、自分がいかに世界の写真界を「知らない」かということを知ることになりました。
日本国内では、そういう部分を学ぶことが出来る場というのは、限られていると感じます。自分が「知らない」ということにすら、なかなか気付けない環境です。
作家として世界へデビューするためのスタンダードを指導して頂ける六甲山国際写真祭は、大変貴重で価値のある企画だと思います。

メインイベントであるポートフォリオレビューについて、体験を書かせて頂きます。
今年のレビューは、通常の1対1ではなく、レビュアーが2人1組のペアでそれぞれのテーブルにつき、レビューイは4人1組のチームで各テーブルを回るというポートフォリオレビューとしては変則的な形式でした。
1対1の形式と比べると、参加しているレビュアー全員(14名)に見てもらえるというメリットがあります(以前の1対1では7,8名が限度だったとのことです)。
同じチームのレビューイのプレゼンを聞くことも出来るので、大変有益な形式だったと思います。
実際のプレゼンですが、自分の作品を相手に説明しようとすると、自分自身が作品のことをわかっていない部分が沢山あることに気づきました。
緊張も相まって、たどたどしいプレゼンになってしまうこともしばしば。
通訳の方(各テーブルに1人つく)や、英語が堪能なチームメイトの方に何度も助けられました。
思うと、なんとかこの場を凌ごうという、受け身のプレゼンだったと思います。
転機になったのは、1日目最後のセッションでまわったZALMAÏ氏、Emmanuel Angelicas氏のレビューでした。
今回私が使用したポートフォリオは、ブックにすることを想定したエディットで、似たようなイメージを微妙にずらしながら反復させる手法を採り入れていました。
それを見たレビュアーの二人は、「写真が多すぎる、なんでもっと絞らないんだ」とコメントしてくださいました。
その言葉で、ポートフォリオレビューとしての作品発表において、自分の戦略がマッチしていないことに気付きます。
翌日のレビューでは、インパクトの強いA2の大型プリント5枚のみという構成に変更し、残りはサブに回すという勝負に出ます。
結果、幸運にもshashashaの大西さんの目に止まり、写真集の出版、個展を開催する方向で話が進むことになりました。
レビューを繰り返すことによって作品の構成を徐々に修正し、見せ方も明確になりました。最後のレビューでは自分の考えをしっかり構築し、伝えられるようになったと思います。

たった4日間という短い期間でしたが、自分自身の作品と向き合い、世界で活躍する方々と触れあうというかけがえのない経験をすることが出来ました。
何が足りないのか、ということを明確に知ることが出来たので、そこを改善して今後の活動に生かしていきたいと思います。

井上 雄輔WEB : http://inoueyusuke.com

2017-09-07T20:59:20+00:00

About the Author: