RAEIC TOKYO 2018 オープニングトーク「コレクター視点で見るいい”作品”とは?」アフターリポート / 前田充晴

//RAEIC TOKYO 2018 オープニングトーク「コレクター視点で見るいい”作品”とは?」アフターリポート / 前田充晴

RAEIC TOKYO 2018 オープニングトーク「コレクター視点で見るいい”作品”とは?」アフターリポート / 前田充晴

RAIEC TOKYO 2018展の一環として4/7に東京京橋の72ギャラリーで開催された、トークショー「コレクター視点で見るいい“作品”とは?」のレポートをお届けします。

 

このトークショーは、主にギャラリストやコレクターなど、写真を買う側から見た、魅力的な作品、買いたくなるような作品とはどういうものか、作家側の人達はそれとどう向き合うべきかというテーマで開催され、スピーカーとして、ポートフォリオレビューから引き続きT.I.P.クリエイティブディレクターの速水惟広さん、現代アートコレクターの和佐野有紀さん、RAIEC・六甲山国際写真祭・Mirage Gallery代表杉山武毅さんがご参加下さいました。

セッションは大きく2つに分かれ、前半はコレクターのタイプ、傾向についてのレクチャーとなりました。

まず、日本の写真家は作品を作る時に意識する目標として、写真集であったり、個展であったり、フォトフェスティバルの招待作家などであったり様々ですが、コレクターの収集対象となる作品を意識して作っている人はあまりいない、コレクターが作品を求める理由は様々で、それは作家の応援であったり、投資であったり、特定のシリーズに魅せられてであったり、多種多様である。

メーカー製品、映画シリーズ、アニメ、ファッション等など、ある特定のブランド的なプロダクトであれば何でも買ってしまうような熱心なファン、いわゆるaddictionはアートでもその傾向が見られる事がある、といった内容から始まり、次に和佐野さんがアートコレクターは何故アートを集めるのか?という点をレクチャーしてくださいました。

それは美の追求であったり、価格や仕様が自分に合っているかであったり、好奇心を掻き立てるものであったり、同じようなものを収集している人達との繋がりを求めるものであったり様々で、またそれらの傾向から現代アートコレクターのタイプをいくつかのモデル(○○型)に分けて詳しく解説をしてくださり、次のリレーション(特定のブランドを注目する)についての話では、それらを恋愛に例えてみたりと、とてもウィットに富んだ内容となりました。

更に、アーティスト、ギャラリー、コレクター、それぞれの関係性についての話となり、杉山さんのセレクトショップをギャラリーに、プロダクションを作家に、ファッションリーダーをコレクターに置き換えた話や、速水さんの自分の本棚を見てもらうと自分がどういう人か、どう他人から見られたいかを判ってもらえるのに似ているという話、そして作品と作家両方の要素が自分にとってピタッとハマる瞬間があり、それは作品を購入する大きな決定打になる、コレクションとして入手するには作品だけではなく、プラスアルファな要素も大事なポイントとなってくる等の内容から、ギャラリー活動を通じての若手への投資や育成の話まで、とても充実した内容となりました。

後半のセッションは作品をどう売るかについての、作家側に対するアドバイス的な内容のレクチャーで、作家活動は創る側だけではなく見る側、オーディエンスも必要、売っていくにはマーケットも必要であり、自分なりの活動の目標(目指すギャラリーのタイプなど)をデザインしておく必要がある。そのデザインを描く(情報を得る)きっかけはギャラリーへの持ち込みであったり、ポートフォリオレビューであったり、様々な所から情報を得るのが重要。

また、売れる作品についての考え方やアンテナの張り方等をYOUTUBEを例に挙げた話や、何故それが流行ったのか?どういうオーディエンスがいるのか?等、次の可能性を探るディスカッションの重要性や、成長していくプロジェクトに必要な要素、デザイン像を杉山さんがいくつか挙げ、速水さんは昔に比べて写真を売る先(使われる相手)が、ネット時代になり飛躍的に多くなった事についての可能性の広がりについて、最後に和佐野さんが作品自体はもちろん、それにプラスすべき重要なポイントなどを、スライドショーを交えてレクチャーしてくださいました。

個人的に、ポートフォリオレビュー等でギャラリストの方と幾度となく話をした事がある経験から考えると、作品を“商品”として売り込む時には、作品以外の要素も多々重要になってくるという事、それは創作の理由であったり、人間的なものであったり、様々な要素があると常に感じていましたが、今回のトークショーを通じてそれを再確認しました。

そして、繋がりという点では、そういったギャラリストの方等とマンツーマンで話のできるポートフォリオレビューという機会の貴重さを改めて感じました。

自作品の販売などまでは考えていらっしゃらない方にとっても、作品を創るという点の一歩先、見せる、売り込む、生活の糧にするという観点に仮想的に立ってみて自作品を見てみると、活動に対する考え方も少し変わるきっかけにもなり得、ともすればそれが作家活動の幅を広げる素晴らしい機会になるのではないかと思います。

(写真・文 前田充晴)

 

 

六甲山国際写真祭2018 ポートフォリオレビュー参加写真家募集中!

事前審査エントリー締め切り5月31日まで

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2018-05-16T17:18:33+00:00

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