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六甲山国際写真祭2016フォローアップミーティング

By | 11月 25th, 2016|2016, NEWS, Organization, Portfolio Review, Support|

六甲山国際写真祭2016のポートフォリオレビューに参加した写真家向けのフォローアップミーティングを、11月23日に東京で開催しました。祝日にもかかわらず、11名の参加者があり、3時間程度、みっちりフォローアップをさせていただきました。ミーティングの要点は、六甲山国際写真祭のレビューでどのくらい成果があったのかということをそれぞれの写真家たちに聞くこと、自分で感じ取った成果や反省点、レビューを受けた中で気がついた点を聞いた上で、作品の良い点、弱点を明らかにすることで、今後の活動に生かしていただくことです。いつもいうように、六甲山国際写真祭はただの評価プログラムで、ゴールではあり得ません。ここを通過した人たちは、何らかの表現が認められているわけで、そのたっている場所、その先にどんな風景が見えるのかを立ち止まって確かめてみるのに格好の場所です。そういう意味で、今回の一連の準備会、ポートフォリオレビュー、アフターフォローは、自分の表現が他者から見てどう見えるのか、その先にどういうプロジェクトがあり得るのかを見定めるのに役に立つはずなのです。国内にはそういう場所がなかなか見当たらないのが現状だと思いますが、六甲山をてこになんとか写真活動を高めていっていただけると嬉しい、というのが主催者の単純な思惑でもあります。実は、Review Santa Feで美術館やギャラリーの人たち、写真祭などのオーガナイザーと話していて、準備会、アフターフォローは誰もが必要性を感じていてやってみたいと考えているのですが、簡単にはできないことだと聞きます。日本でそんなことが行われていることに驚かれもしました。欧米の写真家たちはもともとアート教育を受けている人が多いということも背景にあると思います。また、運営サイドもさまざまなプロジェクトを抱えて、忙殺されているという現実もあるようです。準備会やアフターフォローを開催した大きな理由は、六甲山国際写真祭の過去3年間の開催を通じて、写真家の準備不足、写真家に明確な目標がないこと、将来の活動を含めて認識が一様に甘く、知識がなく、迷子のようにさまよっているのが現状だと思えるからです。地に足をつけた活動というか、じっくり取り組むプロジェクトを作っていく上で必要な情報をどうやって集めるのか、そういう課題に対して、六甲が役割を果たそうと考えているわけです。 フォローアップミーティングのあとは、少し早いですが忘年会となりました。 12月には関西と北海道でもフォローアップミーティングを開催します。  

Shenzhen International Urban Image Festivalに来ています

By | 9月 24th, 2016|2016, Experience, NEWS, Photography, Story|

表題のイメージフェスティバルに参加するために中国深圳に来ています。今回は5名の日本人写真家を紹介するプロジェクトに呼ばれているのですが、今日からスタートし、約1ヶ月続くこのフェスティバルの一部を紹介しようと思います。 深圳は香港のすぐ北側、本土に面して展開する巨大な都市です。深圳は30年ほどの間に恐ろしいスピードと規模で発展した都市とのことで、現時点で世界で最も裕福な都市との表現があるくらい、科学技術を始めとする中国の基幹産業をてこに、中国政府が膨大な資金を投入して作り上げた1200万の人々を抱える近代都市といえる場所です。空には摩天楼がそびえ、道路という道路はとてつもなく広く、公園や街路樹も美しく整備されていて、そこに欧米日本車などの高級車が溢れかえっているメトロポリスです。当然のように豊かな財政と新しい中国の都市生活のスタイルが発展し、アート産業も極めて高いレベルで発展しています。写真に関するものだけでも4つの写真祭を抱え、中国全土のアートマーケットの一翼を担っており、活発な中国の人々の購買欲や、新しいおしゃれな都市の暮らしを満たす消費財として、またコレクターの育成に成功した強大なギャラリーシステムを抱え、国際社会の中国経済への動向への不安とはかけ離れて、ここ深圳ではアートは未だ本格的で健在です。つまり、産官学が一体となってアートというある種の産業を都市構造に埋め込むことに成功している羨むべき構造があるのです。実際、このフェスティバルもその他の写真祭も、主には中央政府や地方政府の資金提供を受けながら発展しているアート祭で、40にも至らない若いキュレーターたちがよどみない語学力をもちいてわんさかプログラムを作っていて、驚くばかりです。僕たちもほぼ中国の国費(あるいは地方政府の資金)で招かれており、食事宿泊渡航費のほぼ全てが運営委員会もち。彼らはタクシーから何もかもネット上で予約し、こちらは一切のストレスを受けないでおまかせとなっています。緊縮予算とだらしない政策、似たり寄ったりのプロジェクトに終始し、どうやっても資金が集まらない我が国のアートプログラムとは異なり、都市とアート、アートと人々、人々と暮らしなどと言ったフレーズなど使わずとも、誰もが良質のアートに触れその恩恵に触れることができるように教育システムが存在し、アートシステムがあり、都市が作られていて、羨ましい限りです。 まだ都市が形成されていない頃の倉庫街をアート特区として整備している深圳OCT地区 もちろん、写真祭自体は新しく、ディレクターも若く、ホームページもなくあちらこちらにほころびもあるのですが、World Press PhotoやMagnum、National Geographic Beijingの若い編集者やアーティストたちがこれから1ヶ月の間、次々とこの地を訪れて写真の祭典を繰り広げるとなると期待せざるをえません。 そんな中国の写真シーンですが、やはりキーとなったのは大きくわけて日本とヨーロッパからの影響だといいます。1990年代には森山大道やアラーキーがこの国の写真家たちに強い影響を与え、その後の中国の写真家たちの道しるべになったといいます。高度成長からはじまった国威の発揚に伴って、より大きなマーケット、アートの中心地であるヨーロッパにでかけていって多くを学んだ写真家のグループもあるとのことです。現在の中国と日本は、政治地政学的にかつていないほどに物々しい状況を生み出してはいるけれど、本質的には東アジアの価値観を共有しているはずで、その点については出会った誰もが日本に対して一目置いているのは面白い発見でした。 日本でもおなじみのMu Ge氏の写真展準備作業。ここは中国最大手の美術出版社のギャラリー。複数階に渡っていくつものギャラリーが連なる。準備をしているのは、なんとアート専門の搬入展示会社のスタッフ。そういう職業があることに驚く。僕が知らなかっただけか   OCTの内部。街ひとブロック全体がギャラリー、カフェ、美術学校などで作られている   ハンガリー人メディアアーティストIstvan Horkay氏のオープニングレセプション。彼の作品はナチズムを取り上げた作品。古い写真をモチーフにして、ドローイングを加えた手数の多い作品。ビデオインスタレーションも素晴らしかった。なんと別作品ではあったけど、サイン入り作品をいただいた。この会場は学校のような施設で、若き中国人アーティストが初キュレーションに挑んだとか。彼はとても誇らしげでいい顔をしていた   WORLD PRESS PHOTOのインスタレーションは、宇宙で暮らす飛行士たちの私生活を、家族と飛行士たちのプラーベートな通信から明らかにする宇宙的スケールの作品。アメリカ人家族とロシア人家族が描かれていて、宇宙開発や文化思想の違いまでが宇宙規模で描かれていた。これはマルチメディア部門コンペで入賞した作品らしい。一番左がキュレーターのポール。本部アムステルダムで活動するWPPの展覧会部門シニアスタッフ   倉庫はとんでもない大きさ。写っている倍以上の面積がある。国内で平面積でこの大きさを探すのは難しいだろう。プロジェクションのために会場で使われる高出力プロジェクターはすべてレンタルだが、期間中600万円以上かかるという。資金のことを聞くと、うん?ああ、政府が払うからね、とのこと   イメージフェスティバルというだけあって、絵画やアニメのプロジェクトも上映されていた   NYで活動するアメリカ人写真家Lois Greenfield氏は、ダンサーを撮らせたらこの人を置いていないというほど有名な写真家。40年の写真のキャリアがあり、プリントもたくさん売れているという   作品は動きを完全にとめた躍動、構図から単光源のライティング、ダンサーの肉体、床からわずかに離れて時間が止まったかのような完璧なイメージ。中判デジタルカメラで撮影され、連写ではなく、完全にワンチャンスをものにした作品。プリントは自分のスタジオで製作している   ボケてしまったけど、香港の著名な俳優で自殺したレスリー・チャンの映画をモチーフにしたインスタレーション。うーん実際の映像はかなりイケてた。手前にレコードプレーヤーがあり、レスリーのダンスに合わせて音楽が流れていた   ゲストキュレーター、というと大げさですが、僕が六甲山国際写真祭の立場で誘いを受けた当の中国人キュレーターWang Xi氏も、すでに昨年から六甲山から誘った日本人のプログラムを仕切っていて、今後さらに関係を深めようとしているのが痛いほど伝わって来ます。彼らからみた現代の日本の写真家は未知のもの、新しい世代の中国人アーティストが日本や世界とつながることと同じように、世界でも通用するはずだと彼らは真剣に考えているのです。昨年は8月の写真祭後、直ちに日本人二人(AbeMoekoさん、NaohikoHoshinoさん)が現地に呼ばれプリントで展覧会が開催されました。要点は、コネクションを作ること、作品にコミュニケーション能力さえあればアートは世界共通の価値観のなかで交換可能なのであり、その点を確認できたことは大きな収穫でした。 話の内容をすべて書くことはできませんが、ハンガリー人の老アーティスト、アメリカ人アーティスト、WPPやNational Geographicの若き編集者たち、おなじみのAngkor Photo FestivalのFrançoise Callier氏などと一日中帯同し、様々な話を聞くことができました。それは写真祭であるとか写真の話にとどまらず、アートの行政だとか、教育だとか、誰かの噂話だとか、本当に写真や写真外に即興でめまぐるしく展開しながら、生きいきと面白い話ばかりが続きます。政治や経済、紛争戦争、難民問題、貧困、テロ、津波、宇宙開発、東アジアの困難、アメリカ大統領戦、神戸の震災、六甲のことなど、本当にさまざまな話題が途切れなく続くのです。中国人アーティストの作品もたくさん見ましたが、このクラスのイベントに参加するとなるとかなりユニークで強いものばかりです。どうやって選ぶのか、という問いに関しては、彼らはネットワークを駆使して膨大なリストを持っていて、世界中に展開する中国人アーティストや注目すべき海外アーティストの活動をつぶさに見ていることがうかがわれます。そして、多くがアートの世界から脱落するのか生き残るのかを時間をかけて見ているのだと思います。早く結果を出したいと願うのは、アーティストにとって世界共通の欲求だと思えるのですが、10年や20年プロジェクトが当たり前という悠久のシステムは、結局のところ良い教育を受け、良い技術トレーニングを受け、マーケットの洗礼を受けて残ったものだけが成功を手にするという当たり前の結果をもたらしているに過ぎないのです。もしうまくいかない場合は?という問いに関しては、"They all went back to work" つまり、夢をあきらめ現実に戻っていったのです。 実は昨夜、今回招待されているゲスト6名のうち3名の部屋で大変な漏水騒ぎがあり、今朝の話題はこの話から始まりました。真夜中の2時に水道管が破裂してその部屋が冠水したばかりでなく、階下の部屋にまで水が漏れだして大騒ぎだったらしいですが、僕の部屋は別のブロックだったため全く気がつかずに朝その話を聞いて驚きました。しかし、おそらく今回寝食を共にしたメンバーはこのことを決して忘れないと思います。 深圳を訪れ、六甲山国際写真祭主催者として何かを学んだかと問われたら、やはり世界は広く、写真は広大で、チャンスはあるが道のりは厳しいということ。日本と世界、という分けへだてる物言いは何に関しても言われすぎて辟易する昨今ですが、実際にこうして世界を見に出てこないことには世界で何が起こっているのかを見ることはできないわけで、日本の写真家たちが最近ものすごい勢いで増えている写真のレビューやWSなんかにあちこちお金をはたいて参加してみたところで、小さな窓を通じて世界につながった気分でいるということそのものはさほど意味がないのかもしれないと感じました。それらは与えられる情報であって、経験し獲得するものとは明らかに違います。六甲で圧倒されて衝撃を受ける衝撃が1だとすれば、海外に出かけて自分の目で体験し知ることの大きさはその数倍はあると思います。中国にはあちらこちらに写真祭があり、宿泊も渡航費もとても安い場所もあるので、一度訪れてみることを勧めます。中国に限った話ではないですね。アルルでも、パリでも、ペナン、シンガポール、アンコール、マレーシアどこの国に出かけても、学びの質や量は計り知れないくらい大きいはずです。  

ポートフォリオレビュー準備会始まりました

By | 7月 16th, 2016|2016, Feature, Mt.ROKKO, NEWS, Portfolio Review, RAIEC, Support, Workshop|

今日は、六甲山国際写真祭2016に参加されるポートフォリオレビュー参加者のなかから希望者に対してポートフォリオレビュー準備会と称して、簡単なレクチャー、ポートフォリオレビューのロールプレイ、そして全員の方に実際にポートフォリオレビューを実施しながらレビューに臨む際の注意点などをお伝えしたり、写真の簡易編集を行って選ぶべき作品の順序やストーリーの研ぎ方、またどのサイズのプリントを用意すべきか、プリントのクオリティーをどこまで高めるかなど、基本的な対策と称して3時間にわたり参加者と交流しました。これは神戸会場が明日もう1日、そして来週末東京会場でも、参加者全体の実に3/4の方たちに有料で実施しています。 ポートフォリオレビューは、言ってみれば口頭試問のようなものですし、参加した経験がなければどれくらいのストレスがあり、どう進めていっていいのかわからないという実態があることが過去3年間の経験からわかっています。そこで、少しでも経験値をあげ、参加者の参加への不安を取り除きながら、写真の意図が伝わるように事前に準備を整えたほうがいいのではないか、と企画したところ、思わぬ数の参加者となりました。 せっかくいい写真を作っていても、プリントが悪いとレビュワーの評価にはつながりませんし、意味不明なステートメントであったり、訴えたいポイントがボケた文章だったりすると、それだけでチャンスを逃してしまいます。一文を付け加えるだけで社会的な要素を演出したりできることを、今日の参加者たちは実感したと思います。かなり手ごたえがあったので、運営サイドに時間的な余裕があるかがポイントにはなりますが、六甲山国際写真祭のレビュー自体の質を高め特徴のあるレビューにするためにもこの準備会は必要なのかな、と考えています。 そこまで実行組織がやるべきかどうかは正直悩むところではあるのですが、今日の参加者の振り返りにもあったように、緊張から言いたいことが言えない、緊張がほぐれ楽しくなってきた頃にはレビューが終わってしまう、というこういった対面のコミュニケーションが不慣れな方が多いことも現実にはあるわけで、決して安くないレビュー費用に対して効果が得られないようなレビューとなってしまうのはとても残念だという思いもあり、開催することにしました。また、国内のみならず海外のレビュワーたちに対しても、よく準備されているレビューというのは疲れず、楽しく、コミュニケーションが取りやすく、先のプロジェクトにつなげやすいというメッセージでもあるはずです。海外のレビューを数多く経験してきた僕としては、作品が同じレベルではなくても、コミュニケーションからつながりを作り得ることを知っていますので、その技術やアイデアを参加者に伝えることで運営そのものがスムースになるのなら、参加者も六甲山国際写真祭自体も評価を高めることができる、という読みもあります。 残り3日。参加者の覚悟に訴えてレビューの質を高める準備をしていきたいと思います。    

OPEN PORTFOLIO VIEWING 2016開催します!

By | 7月 16th, 2016|2016, Feature, NEWS, Organization, Portfolio Review|

OPEN PORTFOLIO VIEWING 2016 2016年8月28日(日)午前10時 – 11時45分 C.A.P. 芸術と計画会議 5階講堂   OPEN PORTFOLIO VIEWINGは、今年のポートフォリオレビュー参加者の作品を一般に公開する六甲山国際写真祭ならではの企画です。ポートフォリオレビュー自体は非公開で実施しますが、どのような写真家が参加しているのかが気になる方も多いはず。また、友人や写真仲間がポートフォリオレビューでレビュワーたちからどのような意見をもらったのか、どのような将来のプロジェクトにつながりそうか、などを直接写真家たちに確かめたい方もいらっしゃると思います。 欧米ではこういうレビューイベントにアートギャラリーや美術館関係者が足を運んで、青田買いというか、売れる前に手を打ってしまおうという動きもあるくらいです。実際、Review Santa Feなどではこのオープンポートフォリオビューイングに、4-5時間の間に実に4000人もの写真ファンが詰めかけて写真家と盛んに交流します。六甲山国際写真祭としては、この部分を明らかにすることによって、ポートフォリオレビュー参加者の覚悟を問いながら、レビューの質を公開することで運営サイドの力量も示すことができるというメリットもあります。将来六甲山国際写真祭に参加してみたいとお考えの方にもきっととても参考になると思います。 例年六甲山上で開催していたポートフォリオビューイングを、今年はメイン会場であるC.A.P.にて開催します。また、ポートフォリオビューイングの最中の午前11時30分から、LUCKY PHOTO MARKETの大抽選会を開催し、写真祭の最終日を盛り上げたいと思います。

Kosuke Okaharaさんの仕事 – Main Guest Photographer

By | 7月 14th, 2016|2016, Eng, Mt.ROKKO, NEWS, Photographer, Photography|

KOSUKE OKAHARA “FUKUSHIMA FRAGMENTS” Aug 20 Sat – 28 Sun 2016 10:00 – 19:00 (closed on Monday) C.A.P. HOUSE 4F WEST GALLERY 岡原功祐 「フクシマ・フラグメンツ」 2016年8月20日(土) – 28日(日)10:00 – 19:00(月曜休館) C.A.P. 芸術と計画会議 4階 西ギャラリー   さていよいよ岡原功祐さんの登場です。 六甲山国際写真祭も開催まであとひと月と少しになりました。現在鋭意準備中です。 六甲山国際写真祭では「Fukushima Fragments」という岡原さんの最新作をオリジナルプリントで展示します。この展示は、つい先日まで東京の大正大学にて開催されていた同名の展覧会を関西で初展示するものです。 東日本大震災直後の東京にパリから急遽降り立った岡原さんは、灯りの消えた東京の街をみて衝撃を受けたといいます。慣れ親しんだ街が震災による電力供給抑制と震災の暗いニュースとで大混乱に陥っている様を見ながら、東北を撮影するために福島に入りました。その心中には、これまで様々な紛争地にはいって撮影を続けてきた経験豊富な岡原さんでも不安や怖れがあったといいます。そんななか、少しずつ作品を撮りためていったのがこのFukushima Fragmentsなのです。 岡原さんのジャーナリズムの写真は、どれも人類の、あるいは人間の存在のさまざまな局面を見せながら、傲慢さ、弱さ、儚さ、権力への渇望、生きることへの情動など、ひとの根源的な姿を明らかにします。淡々と表層的な事実関係を明らかにするスタイルのジャーナリズムとは異なり、人間や人間社会の深層に迫っていくのがとても強いスタイルだと感じさせます。 岡原さんとは2010年のAngkor Photo Festivalで知り合いました。ようやく関西で彼の展覧会が開催できることを嬉しく思います。

ポートフォリオレビュー事前審査講評

By | 6月 5th, 2016|2016, Mt.ROKKO, NEWS, Organization, Photographer, Photography, Portfolio Review, RAIEC, Workshop|

2016年のMt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTO FESTIVALポートフォリオレビューの事前審査が終わりました。すでに結果は各方面に連絡済みです。 今年は通過者38名となりました。正直に申し上げれば、通過者と次点(補欠)、また通過されなかった方々の違いはさほどありません。どうしてもこのようなイベントの予備選考というものは難しくならざるをえませんが、それは集計点数のわずかな違い、当落線上の1点2点のなかに数名の参加者が集中し、最後は主催者判断が必要となることなのですが、いずれにせよ結果は出ました。 今年は、それでも六甲山国際写真祭の役割というか、この写真祭に参加することで世界中につながりを作りたいという思いが強い方が集まってくださったと思います。上位6名程度は、海外でも十分に活躍できる力量があると考えられますし、作品を作っていく上での覚悟が見えたり、アイデアが豊かに見えたり、より大きなオーディエンスを意識した作品作りをされていたと思います。一方で、やはり作品作りが習作の域を出ず、作り込みが不十分であったり、ストーリーがなく独りよがりだったり、強い美を追求したり力強いテーマを描けずに苦戦する方も多かったと思います。今年から従来の審査基準に加えて、将来性、というキーワードにより多くの点数を含めたことも採点に大きく反映されました。今はさほど強い作品でなくても、将来に可能性を感じさせる作品や、実験的ではあるけど可能性を探ろうとしている作品がいくつか審査を潜り抜けています。 皆さんの経歴を見ていると、なるほど様々なイベントやレビュー、出版物を経過して来られている方も多いのですが、アートや写真の歴史や構造を意識しつつ、どのように自作をアピールするかという点で弱かったり、ステートメントと作品の間に乖離があったり、ステートメントで語りすぎているのに作品が弱かったりと、イメージ自体はさほど悪くないのに得点が伸びないか減点されているというケースが多々見られました。自学されて活動をされている方が多く、専門的な教育を受けていないということも確かにありますが、おそらく写真を作る動機、誰に見せたいのか、どういう人たちと付き合いながらどう世界につながっていくのか、というアイデア勝負となると、国内では通用してきた経験者でも、世界レベルから評価すると圧倒的に経験値が足りないことがよくわかります。正直に言えば、上位10名がなんとかそういう領域には達していますが、それより下位の皆さんはほとんど一並び、そういう意識は見えない方が多いように感じました。また、繰り返し参加されている方も申し込み者全体の20%に及びますが、明らかな新作を提示して来られた方や掘り下げ方を変えて来られた方が通過しています。再挑戦はプロジェクトによほどの発展がないと辛口評価になってしまいがちです。 イメージとしては美しい作品を作っていても、ストーリーが描ききれてないか、複雑な説明を置いたり、言葉を重視しすぎたステートメントが重荷になって評価を下げた作家もいました。通過者の中にもステートメントに問題があるか理解できないものが若干含まれているため、本番を前に作品を整理しなおす場面も必要かもしれません。これは希望があれば準備会のようなセッションを持てればいいなと考えています。また、写真家のウェブページについても、簡潔で十分な情報があり、美的な要素が感じられるサイトを作っておられる方もいますが、そもそもサイトを持っていなかったり、作り直したほうがいいサイトも多数あります。国際写真祭のポートフォリオレビューですので、この辺りも個別に準備を促していきたいと思います。 通過者全体でいうと、地域や家族を取り上げたパーソナルワークが30%、社会のありさまに視点を投げかけるプロジェクトが30%、コンセプチュアルアート20%、ドキュメント20%というような内訳です。風景が全体の20%、ポートレイトが30%、静物が20%で、残りはスナップほか分類不能な作品となります。ただし、これは大まかな印象でこれから少しまじめに集計してみようと思います。 残念ながら通過を果たせなかった写真家、作品についても、僕としては将来性のある作家や作品は何らかの形で取り上げていこうと考えています。がっかりされている方もいらっしゃると思いますが、がっかりしている暇があったら作品をより良いものにする努力を払うべきです。落選するにはそれなりの理由があるはずで、その理由を自分なりに分析する冷静さが必要だと思います。また、実際に六甲山国際写真祭に限らず世界的な写真の枠組みでおこっていることを理解すること、世界という視野の中で表現を磨くために必要な努力については、リサーチが必要なのは言うまでもありません。これまでに参加されて活躍の場を自分でこじ開けてきた先人達のコメントを読んでそれらの作品が評価を得られる理由を考えてみたり、六甲山国際写真祭が写真教育、社会への理解を深めるために写真というメディアを用いている写真祭であることなど、写真祭の開催理念も包括的に理解した上で参加すべきだと感じられました。これにはRAIECのワークショップ、東京展などに足を運んでいただいて体験するのが早道です。六甲山国際写真祭は、写真家育成機関を謳ったことは一度もありませんし、写真家だけが参加してくる閉じたイベントではありません。むしろ私たちが向き合おうとしているのは一般社会の人々です。開催理念として描いているのはあくまでも写真を通じて人生、暮らし、社会への作家の視線や機微を掘り起こすことであり、写真家自身がメディウムであることを自覚して活動し、この途方もなく大きな写真空間を自在に行き交いながら新しい表現を用いて世界的な視野に立つことを目指せるようただ舞台を用意しているにすぎません。そのことを理解していただき、これからもそれぞれの皆さんが写真の高みを目指して活動していただきたいと願っています。

Michel Huneaultの仕事 – RAIEC Director’s Choice 2016

By | 5月 31st, 2016|2016, Eng, Mei House, Mt.ROKKO, NEWS, Photographer, Photography, RAIEC|

We will present “La longue nuit de Mégantic” of Michel Huneault as one of festival main guest photographers (RAIEC Director's Choice 2016). This exhibition will be Gallery TANTO TEMPO's independent program which collaborate with RAEIC. Exhibition Venue: Gallery TANTO TEMPO (closed on monday, tuesday) Exhibition Period: Aug 20 sat – Sep 25 sun (Festival Aug 20 - 28) Closing Lecture: Aug 28 PM12 at C.A.P. House 5F Lecture room     Michel Huneaultミシェル・ヒューノーはカナダ人の写真家です。今回の写真祭では、“La longue nuit [...]

Jamey Stillingsの仕事 – Main Guest Photographer

By | 5月 22nd, 2016|2016, Eng, Mt.ROKKO, NEWS, Portfolio Review, Workshop|

We will present THE EVOLUTION OF IVANPAH SOLAR of Jamey Stillings as one of festival main guest photographers. Exhibition Venue: C.A.P. House (closed on monday) Exhibition Period: Aug 20 sat - 28 sun     今日は六甲山国際写真祭2016のメインゲスト写真家の一人、Jamey Stillingsを紹介します。 Jamey Stillingsはアメリカの写真家です。彼の作品は、いわゆるエネルギー関連の施設を撮影する非常に力強い写真シリーズが特徴で、今年の六甲山国際写真祭にはその中からTHE EVOLUTION OF IVANPAH SOLARというカリフォルニア州にある太陽光発電プラントのシリーズを展示します。 彼の作品はエネルギーの可能性や問題点について、経済・環境・人々・地域などの視点から撮影するもので、その精緻な作品はアメリカでも大変人気があります。最近の作品はヘリコプターにより空撮で構成され、そのスケールの大きさが大変印象的です。 Jameyとは2010年のReview Santa Feに訪問した際、Hoover Damの建築現場を撮影した壮大なシリーズをレビューを受ける立場で持ち込んでいましたが、2013年にReview Santa Feの講師としてレクチャーがあったほか、2014年には僕のレビューをIvanpahのシリーズで受けていただいたことから、今回の展示につながりました。 Jameyの作品は8月20日から28日の期間中、神戸市中央区C.A.P.(芸術と計画会議)(月曜休館)にて展示されます。また、25日にイベントウィークのオープニングトークが予定されているほか、レビュー参加写真家たちと共に六甲山上でこのスケールの大きな作品をめぐってディスカッションが予定されています。 日本でも様々なエネルギー問題が震災関連、原発を中心に語られていますが、限られた資源・土地で効果的で持続的なエネルギーを生産するためにはどのような観点から議論すべきかのか、考えるきっかけになればいいと考えています。  

RAIEC TOKYO 2016始まりました!

By | 4月 9th, 2016|2016, Mt.ROKKO, NEWS, Organization|

六甲山国際写真祭 Mt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTO FESTIVAL 2015年のポートフォリオレビューに参加した作家のうち、34名の写真展が東京3331アーツ千代田で始まりました。 このイベントは、六甲山国際写真祭の東京でのプロモーションイベントとして、前年度ポートフォリオレビューに参加された写真家がRAIEC TOKYOというグループを自主的に運営しながら作っているものです。六甲山国際写真祭はまだ3年を経ただけの若い写真祭ですが、それだけにこういったイベントを通じてその存在をアピールするのがいいのではないか、という参加者からの提案で始まったものです。国内のポートフォリオレビューに参加する写真家に共通する意識の中には、自ら制作する写真が国内や世界の専門家にどう評価されるのか体験したいという思いがあり、また可能であれば世界への道筋を見つけたいという思いがあると思います。この展覧会はその思いを胸にわざわざ六甲山にやってきた写真への熱意や勇気の証明とも言えます。 この写真展は、写真家たちの優劣を競うものではもちろんないし、表現のレベルもばらばらです。写真祭に参加して結果を残すものもいれば、あまり良い評価を得られずに戸惑うひともいたでしょう。しかし、それぞれが予備審査を経て果敢に挑戦した結果でもあるわけで、そういう前向きな意思はかならず何かしら写真を愛するものにとってポジティブに働くはずですし、得難い経験は写真家同士のつながりをつくったり、世界的な写真家と実際に話すことで得られる世界基準の表現のレベルへの距離が見えたり、と有意義であることは間違いありません。 34名の写真が一堂に並ぶと壮観です。ぜひ会期中ご覧になってください。

東京でイベントを開催します – RAIEC TOKYO 2016

By | 3月 1st, 2016|2016, Mt.ROKKO, NEWS, RAIEC, Workshop|

RAIECおよびRAIEC TOKYOでは、4月8日(金)から15日(金)までの8日間、東京3331アーツ千代田において六甲山国際写真祭の告知イベントを開催します。このイベントでは、六甲山国際写真祭にポートフォリオレビューで参加した写真家の作品を展示するほか、4月10日(日)には写真家大森克己さん、タカザワケンジさんをゲストに招いてトークショーを開催します。また、4月9日(土)にはRAIECのワークショップ「写真コミュニケーションワークショップ」を開催します。 東京で六甲山の写真祭の様子をご覧いただけるまたとない機会となると思います。 ぜひご参加下さい。   RAIEC TOKYO WEBSITE