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Review Santa Fe 2016 -状況と判断Part1

By | 11月 7th, 2016|2016, Mt.ROKKO, Organization, Portfolio Review|

Review Santa Feに来ています。 今年のReview Santa Feは通常6月に開催されていたのが、今年は11月開催になりました。主催者によると、夏休みに突入する6月に比べると11月はオフシーズンということもありコストが安い、とのことですが、パリフォトなどの期間を控えてこの時期に開催することを不思議がっているレビュワーたちも多くいたことから、来年はどの時期に開催されるのか不透明感が漂っていました。アメリカといえば大統領選挙を間近に控えて、いつもと違って少しそわそわしている街の様子も感じ取ることができました。 Review Santa Feの特徴は、アメリカの地方都市のローカルな、コンパクトな写真祭という位置付けですが、美術館、出版社、ギャラリーなど50名を超える強力なレビュワーが集まっての強力なレビューで、そこにワークショップ、展覧会を加えた写真祭の形式を作っていて、世界中からアーティストたちが集まってのお祭りです。2010年に初めてここを訪れて主催者をインタビュー、2013年以降4年間にわたって僕もレビュワーとして参加してきましたが、毎年集まってくるアーティストの多様性には驚かされます。 4年もの間毎年参加していると、レビュワーのなかでも次第に知り合いが増えていくのが面白いのですが、六甲山にも多くのレビュワーをここから誘っているので、ここでは六甲山はとても有名です。多くの人に声をかけられ、六甲山国際写真祭のことを聞かれます。日本人のアーティストを探しているので紹介してほしい、レビューに呼んでくれなどと声をかけられるのはとてもありがたいことです。2-3月にかけてMei House Photography Workshopを計画しているのですが、そこに誘う予定の専門家もきっちりと見つけることができました。 今年のレビューには4名の写真家が六甲山国際写真祭を経由するかその関連から選ばれて参加しており、それに加えてNYから自力で参加した日本人を合わせると5名の写真家が選ばれていました。Review Santa FeのLaura Pressley氏がかねてから表明していた通り、相互の交流を深めるという意思を強く感じました。もちろん、審査を経てのセレクションなのでアドバンテージが与えられているということは決してありませんが、六甲山国際写真祭経験者だからこそReview Santa Feに応募していくという流れができていることを反映したものだし、それこそがReview Santa Feが六甲山国際写真祭を重視する狙いだと考えられるので、今後も交流は深まっていくように思います。 一去年のReview Santa Feに参加していたEvan Andermanという写真家が、昨年の六甲山国際写真祭にプロジェクション作家で参加してもらったのですが、新たにReview Santa Feのボードメンバーになっていたのは嬉しい驚きでした。また、2013年に初めてレビューをした若い写真家たちがReview Santa Feのスタッフで戻ってきて再会できたのはとても嬉しいことでした。 また、今年はReview Santa Feの創始者の一人で、現在はSanta Fe Photographic Workshopを主催しているReid Callanan氏の表敬を受けました。同じ「山」の写真祭として、そしてコンパクトな写真祭の良き先例として相互に助け合っていく事を確認しました。 写真の傾向としては、今年は若干パーソナルワークがやや減少し、ドキュメンタリー、コンテンポラリーアートは例年通り、建築写真などを含めて風景写真などが若干増えた印象となりました。参加者の年齢は20代はすくなく、30代から40代を中心に、50代から75歳までの幅広い年齢層が参加していました。ひょっとしたら50代以降の方が多かったかもしれません。国籍はアメリカを中心に、日本、オーストラリア、ベルギー、中国、ロシアなどから参加者がありました。対するレビュワーは、美術館、ギャラリー、出版社に加えて、ウェブメディアなどが増えているのが時代を映していて面白いと思いました。ニュースウェブメディアとしては、ハフィントンポスト、Wired、Times、National Geographicなどが参加していました。ただ、一部のメディアは同じ組織から複数のレビュワーが来ており、それらがレビュワーリストで重複して不満を訴える状況もあったようです。 僕のレビューは例年通り全ての枠が埋まっており、嬉しい限りなのですが、場外で枠を引き当てられなかった人たちから盛んに声がかかる状況もこれまで通りでした。レビュー参加者は皆、六甲山のことやギャラリーのことをよく研究していて、写真祭参加、あるいはギャラリーでも展示が叶うことを希望しての応募で、売り込み攻勢はすざましい勢いを感じました。 僕はギャラリー向けと写真祭向けのリストをもっているのですが、今年もレビューした27名の写真家のうち15-17名をリストアップしました。特に六甲山のメインゲストクラスのリストに4名ばかり名前を追加できたのは良かったと思います。いずれも、教育的観点から取り上げたい作品で、ローカルなコミュニティーに起こった問題を客観的に取り上げている優秀な作品で、Review Santa Feの展覧会でも取り上げられていました。   日本人参加者の評価などについては、2016年11月27日の報告会後に記事にする予定です。

写真祭を終えて

By | 8月 30th, 2016|2016, Experience, Mt.ROKKO, Organization, RAIEC|

2016年の六甲山国際写真祭がGallery TANTO TEMPOのMichel Huneaultの展覧会を残し、全日程を無事終えました。Gallery TANTO TEMPOの展覧会は9月25日までです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 六甲山国際写真祭の開催は今年で4年目です。2013年の初開催の準備不足の写真祭をご存知の方は、おそらく写真祭が進歩していることに驚かれたと思います。六甲山上の野外展覧会は集客の難しさから今年は実施せず、神戸市内に展覧会をあつめ、山上ではポートフォリオレビューと参加者向けワークショップのみを行うことにしました。山上ではポートフォリオレビューのほか、BBQなどのリクリエーションやナイトセッションというディスカッションを行い、コミュニティーのつながりに必要な議論を促すイベントを開催しました。28日にはオープンポートフォリオビューイングを開催し、思いがけない数の参加者があり、Lucky Photo Marketの抽選会もあり大変盛り上がりました。Lucky Photo Marketでは、メインゲストをはじめ協賛出版社・写真集ディストリビュータからもオリジナルプリント、プリントつき写真集を無償で提供いただくなど、羨ましくなるようなものばかりで、提供者本人がドローに登場して興奮に溢れた抽選会でした。おかげで、例年をはるかに超える資金獲得ができました。ウェブからチケットをご購入いただいた方にも作品が当たったのは良かったと思います。ご支援をいただいた方々に感謝申し上げます。 六甲山からは、参加者がそれぞれの思いを胸に世界中のイベントや展覧会、写真集出版の機会を得ていることは素直に喜ばしいことだと考えています。今年も、世界中からアーティストやレビュワーが参加され、準備のある程度整った写真家が多かったことから、レビューはそれぞれに成果があったと思います。国内のレビュワーも変更し、海外からも新しい新鮮なレビュワーを呼んだことから、具体的な成果が次々と報告されていて、かつてない規模で世界に羽ばたいていく可能性を秘めたレビューになりました。 六甲山国際写真祭がどのような場所か、おそらくは参加されたか関わった方にしかわからないわけですが、写真とはなにか?写真で何をやりたいのか?なんてことを真面目に話し合う場所に自然になってきているし、六甲山はやはり写真家に覚悟と準備を促す場なのかなと考えています。RAIECがやりたいことは、ある意味ゆるやかな写真をつかった社会変革です。アーティストサポートや教育が主ではあるけれども、その目指す先には写真を通じて社会に参加する姿勢を求めたり、プロジェクト自体を動かせる人をリクルーティングという観点もあるのです。そしてこれは、さまざまな分野で欧米やアジアから遅れをとるなかで、国内の写真の状況がかなり切実な状況だというところから導き出されています。なぜなら、写真界だけで見ても、こういったプラットフォームに運営側で参加したいと思うひとが現れない限り、純粋に写真関係者のみで国内発の世界に通用する枠組みをつくることはできないからです。海外の多くの写真イベント主催者は、もともとは皆写真家です。そういう人たちが写真家の事情を訴えて社会につなぐ活動をするからこそ、写真家や写真界がまとまることができるのです。 参加者みなさんの経験や作品を拝見していても、ほとんどの方が写真の専門教育を受けておらず、教育を受けていないことでスタートラインのはるか後方から走らなくてはならない状況にあります。もちろん日本にもいろいろな枠組みがあって、それぞれが役割を担ってはいるのですが、写真とは何か、写真で何を誰に伝えたいかという問いに立ち帰れる場所は実のところ一つもないと思います。無数の枠組みに知らず知らずに巻き込まれて、そのためにいつまでも写真にお金をつぎ込まざるをえないのです。写真を続けることはとても大切なことです。皆さんが懸けてきたことをあれこれ論評するつもりはありませんが、写真の続け方を知ることも大切だと思います。 世界中、また日本国内でもポートフォリオレビューが盛況な今、多くのレビューに世界中の写真家が参加してきます。また、ワークショップも写真賞もどこの国にもたくさんあり、写真家にとっては機会が増え喜ばしい限りなのですが、運営サイドからみているとそれらがどういう意図で形成されているのかを知るにつれ、やはり写真の世界を体系的に知っておかないと世界を渡り歩くことはできないと思います。 成果がありそうな人も、あまりいい評価が得られなかった人も、それぞれの評価で焦ることはないと思います。海外デビューなんていうのはプロセスのひとつであってゴールではないし、そこからもっと登っていきたいと願うことは悪いことではありませんが、実際に駆けあがれる素養と体力、度量、図々しさがある人はそんなにいないはずです。成果があるといっても、一度海外につながっただけではなんとも言えません。海外に出かけるだけでも、会話ができないようではふうふう疲れますし、その後はより厳しいスクリーニングにかけられ、今回の参加の何倍ものアイデア、体力、資金が必要となるでしょう。 そういったことを含めていくと、六甲山国際写真祭が果たすべき役割はとてもよく見えてきます。RAIECではこれからもワークショップを中心とした写真祭作りを目指していきます。今後もご支援をくださいますようお願いいたします。 最後に、今回の写真祭を一緒に作り上げてくれたRAIECスタッフ、ギャラリー関係者、参加者、レビュワー各位に深く感謝いたします。 RAIEC 杉山武毅 ※レビュワーから頂いた言葉を記しておきます。 写真・写真家について 世界でも通用する人は少なからず存在している 編集は過去2-3年よりずっと良くなっているし、ステートメントも的を得たものに改善されていて驚いている。準備会をやったようだが、着実に成果が出ている シリーズの枚数が多すぎる人が多かった。20-25枚でひとシリーズを区切るべきだ 2週間仕事、1日仕事が幾つかあった。長期的視点、社会的プロジェクトをもう少し見たかった 運営について おそろしく統率の取れた真心のこもった運営だった ロケーションが最高で、何度でも訪れたい 小さなフェスティバルでいけばいい ロケーションから考えるとワークショップ型の写真祭にしていくのがいいだろう 短い日程にイベントが多すぎ、トークも長すぎる。参加者が疲れている 疲れたが、充足感があった  

Mt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTO FESTIVALのレビューについて

By | 4月 18th, 2016|2016, Feature, Mt.ROKKO, Organization, Portfolio Review|

六甲山国際写真祭のレビュワーが続々と決まっています。 昨年の有力なレビュワーに加えて、新たに六甲山の写真コミュニティーにレビュワーとして迎えることが決まった方あるいはリストアップにて交渉中の方は次の通り。 David Bram / Fraction Magazine / US Jennifer Schwalz / Crusade of Arts /US Jamey Stillings / Photographer / US *ゲスト写真家 Kosuke Okahara / Photographer / Japan *ゲスト写真家 Hiroshi Onishi / ShaShaSha / Japan Yuki Tanaka / Getty Images Japan / Japan このほかにも現在中国、香港の出版社、NYのギャラリーと交渉中です。 各レビュワーの詳細は、プロフィール、どのような写真作品を探しているかなどの情報とともに順次この項で紹介することにしています。が、より詳しい情報はまずはご自身で検索して入手してみてください。 また、ワークショップも基本的に六甲山国際写真祭の事前審査通過者は山上で2夜にわたり、3つのワークショップの中から2つまでを無料で受講いただくことになっているほか、8月28日(日)には4つか5つの独立したワークショップ(有料)を開催しますので、こちらも決まり次第順次告知を行い、それぞれ参加者を募集します。レビューに参加される予定のない方、レビューの事前審査に惜しくも通過されなかった方も、世界的なレビュワーたちとつながるまたとない機会ですのでぜひ六甲山国際写真祭がどのような場所かを体験しに来ていただきたいと願っています。 いつも問いかけがある六甲山国際写真祭のレビュワー陣としての選考基準は、以下のとおりです。それは国内のレビューやワークショップが増えている現状を見ていると、どのレビューに参加すればいいのかわからない、と訴える写真家が多いと考えらえるからです。駆け出しの写真家でもチャンスはあるわけですが、いきなり欧州の主力美術館学芸員やトップギャラリーのレビューを受けてチャンスにつながるかというと決してそのようなことは簡単には起こりえません。従って、写真家は自分のレベルに応じてどのレビューを選ぶか決めていく必要があるのです。六甲山国際写真祭のレビュワー選択基準をぜひ参考にしてください。 世界的な写真レビュー、ワークショップに参加経験が豊富なこと 写真家とのマッチングで即プロジェクトに結びつく可能性を提示されていること 教育的見地から写真を評価しうる十分な経験があり、その評価を通じて写真家により良いプロジェクトに結び付く助言ができること 写真家の活動をさらに高めるために必要なリソース、コミュニティーを作り上げていること 独立した質の高いワークショップを開催できること 以上のような条件を持っているレビューは、国内のレビューとしてはとてもユニークです。六甲山国際写真祭では、20分のセッションの中で、可能な限り写真家の個々の活動についてポジティブに議論するよう求めており、ただ単にYes/Noの閉じた結論を伝えることのないよう求めています。これはレビューが5分で終了してしまうようなことがあったり、興味がない作品に対して受容的になれないことでレビューが荒れないようオープンなディスカッションができるよう要望しているものです。また、何度もレビューを受けるチャンスを求める写真家に対して、それがいいことかどうかも含めてディスカッションしながら、レビュワーを年度によって入れ替えるなどの工夫も行っています。このような思想から選ばれたレビュワーは、写真の活動をより高いレベルに持っていきたいと考えている写真家には大変力強い味方になりますし、コミュニティー作りにはとても重要なのです。 六甲山国際写真祭のポートフォリオレビューの事前審査のお申し込みは4月30日が締め切りです。 ぜひ多くの方のご参加を願っています。