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RAIEC TOKYO 2016

By | 4月 8th, 2016|

2015年夏、第3回六甲山国際写真祭のポートフォリオレビューに参加した作家たちは、六甲山上という隔離された場所で密度の濃いポートフォリオレビューを受け、ハイレベルなワークショップで作品を磨きました。レビュー・サンタフェやアンコールフォトフェスティバルなど世界各国のフォトフェスとの協力関係を結び、強力なレビューアーを招聘し、世界レベルでの目線を直に体感できることが六甲山国際写真祭の魅力です。第4回の参加者募集が始まった今、この写真祭の魅力を多くの方に知っていただくために、昨年の参加作家有志34名がRAIECとともに東京でのサテライトイベント『RAIEC TOKYO 2016』を4月8日(金)~15日(金)に東京都千代田区の 3331 Arts Chiyodaにて開催致します。 写真展:34 Photographers Group Exhibition / RAIEC TOKYO 2016 開催日:2016年4月8日(金) - 15日(金) 開催時間:12:00 - 20:00 (最終日は18時まで) 会場:3331 アーツ千代田 B104号室 東京都千代田区外神田6-11-14

第4回写真コミュニケーションワークショップレポート

By | 7月 12th, 2015|2015, RAIEC, Workshop|

7月11日、神戸で写真コミュニケーションワークショップが開催されました。 今回は遠くは北海道から、また東京や名古屋、京都、大阪と広い範囲から参加者がありました。そのため多くの参加者が前泊、朝9時45分の集合時間には全員がそろって定刻にワークショップが開催できたのは出だしとしてはとても良かったと思います。 写真コミュニケーションワークショップは、とても単純な、しかし写真家や写真に関わる専門家が学ぶべき非常に重要な事柄を取り上げています。それは単なる写真表現の知識としてではなく、ディスカッションを通じて自身の作品に向き合うことで作品の訴求点を客観的にみる能力を身につけることであり、写真を専門家がどのように評価するのかを理解することでもあります。 まず参加者全員がコミュニケーションを取りやすいように、アイスブレーキングを行います。日本各地から参加者があったため、「ご当地自慢」というネタで他己紹介を行いました。 つづいて1stプレゼンテーションを行いました。ここでは作家が思い思いに作品について語るのですが、かなり説明的で饒舌なプレゼンテーションを行う作家が多かったと思います。このワークショップではこの「饒舌な」プレゼンテーションのうち余分な言葉をそぎ落とし、必要な言葉を組み込むことを学びます。 講義をする中島さん 今回の講師は今年のReview Santa Feで唯一の日本人参加者である中島洋紀さん。自身の作品シリーズであるTOKYO ATTRIBUTEについて、その制作の背景やReview Santa Feでの体験などを話していただきました。これは制作全般にわたる写真家のアイデアを明かにすることによって、作家がどのようなきっかけで作品制作を始めたのか、それをどのように膨らませ煮詰めていったのか、Review Santa Feのようなレビューイベントに参加した理由は何か、そのレビューで気がついたことはなにか、などを言葉で示していただくことによって作家の活動全般の思考プロセスを共有することにあります。中島さんは東京に介在するある意味で特異な人物をストレートなポートレイトとして撮影する手法で作品を制作していますが、それはファッションフォトでもあるし、都市の生み出した強烈な個性の類型でもあります。 グループワークに参加する山縣さん 昼食を挟んで、今度は山縣勉さんの講義を共有しました。山縣さんも東京のある地域に介在する視覚的に強烈な印象を与える人物をストレートなポートレイトで撮影する写真家です。ただ、中島さんと異なるのはすでにかなり世界的な実績を積み上げている作家であるという点です。人間への視線、興味という点で中島さんのプロジェクトと共通点がある一方、山縣さんの作品はその人物像の表層的なヴィジュアルにとどまらずその人物像の奥へとオーディエンスの興味を導きます。また、新しい製作中のプロジェクトなども紹介され、その美しいストーリーに参加者皆が見入っていたのが印象的でした。 真剣に写真に見入る参加者 このワークショップの最も重要なプロセスは、参加者それぞれの作品を、つづくグループワークで読み解くことです。作品の表面的な被写体を抽出したり、絵に描かれているすべての要素から全体にわたる印象などをキーワードとして書き出し、作品を言語的に解体していきます。作品はまるで丸裸にされてしまうのですが、実際に作家としてその作品を制作するプロセスにおいてはおそらく皆がなんらかの形でこの解体あるいはそれに代わる考察をしているはずです。ところが、作品を制作する主観において、この解体作業はいつもなんらかの修飾をうけてしまいます。主観というものは作品の本来あるべき要素を覆い隠し、見るべきものを見えなくしてしまうのです。この作品なら世界に通用するだろう、などの考え方です。ところが、主観が強すぎると作品は漠然としたモチーフが絡み合い、多くの場合写真で誰に何を伝えたいのかというもっとも基本的な写真の力が失われてしまいます。そこで、写真の要素を客観的に抽出することで漠然としていたイメージを明瞭に見えるよう整え、テーマやストーリーを際立たせる作業を行う必要が生じてくるのです。言語的解体は、グループワークのディスカッションによりキーワードを被写体やモチーフ、印象などをもとに書き出すことによって他者の視線で作品を共有する方法論なのです。スナップ、ポートレイト、ランドスケープ、抽象すべての作品にこの方法は通用するし、すでに作り上げたシリーズにも、新しい編集を作る場合にもヒントになるはずです。 グループが取り出したキーワードは、つづく再構築のセッションでステートメントにまとめあげられます。キーワードのうち必要なものを取り出し、不要と考えられるものを削除し、もっとも重要な2-3のキーワードをマークします。そして、それらを起承転結のストーリー仕立てにして表記していきます。 ある日、私は草原に大きな木が美しいたたずまいで立っている風景に出会った。それはあまりにも美しい光景だったので、私はこの木の凛と立っている姿を留めるために、その美しい風景を写真で撮影することにした。(きっかけ・起) 撮影はいつも夕方に行われ、雨の日も風の日も撮影する手法をとった。(方法・承) それらの写真のうち、木の存在感が際立つ、木が何か美しい表情を見せて草原に立つ風景のみを取り出してまとめてみた。しかし、なぜか時々こころに響かない時もあるのだけれど。(考案・転) どうしてこの木が私を魅了するのかを考えてみると、この木は私にとって母のような存在だということがわかった。大地に根ざす力強い母なる木を、私はこの写真シリーズで示したい。(まとめ・結) とこんな具合に。簡潔です。 自分の作品が解体されることに抵抗を感じる写真家は多いと思います。しかし、作品がどのようなメッセージを伝えうるのか、作品が社会に通用するのか、どう写真シリーズを編集するのか迷っていたり、ステートメントをどう書いたらいいのかわからない人が非常に多いのも事実です。展覧会などで作品を見せる時、展示に必要なすべての準備ができている人は多くはありません。 事前に用意したステートメントとグループワーク後のステートメントが一致する作家は、実は作品を高い客観性でよく作りこんでいる作家です。逆にその両者の間に違いがある人は、写真のメッセージを主観的に捉えているものが他者に伝えきれていない可能性があるのです。もちろん、あらゆる写真は観覧者が作家の意図を読み取る時点で作家の手を離れ自由な解釈に委ねられるものですが、それでも写真で何を言いたいのかわからないと評されるとすれば、その写真のメッセージは目的を果たしているとは言えません。 特に海外のレビューイベントや写真賞に応募する予定のある人は強く正確なステートメントが必須です。このワークショップは初心者が写真と取り組む基本的な姿勢から確立した写真家が写真のメッセージを研ぎ澄ますあらゆるレベルで適応できるものなのです。 参加された作家の皆さん、講師として訪れてくださった山縣勉さん、中島洋紀さん、本当にお疲れ様でした。   なお、予告通りこのワークショップから2名程度の写真家を六甲山国際写真祭のポートフォリオレビューにご参加いただきます。 第4回写真コミュニケーションワークショップレポートでした。