第三回、六甲山国際写真祭のポートフォリオレビューにレビューイとして参加した、寺田 朋也です。

2015830日午後1時からギャラリーTANTO TEMPOにて六甲山国際写真祭ワークショップ『ポートフォリオを磨き、編集する』が開催されました。

講師にAmber Terranova (写真編集者)、Laura PressleyReview Santa Fe ディレクター)を迎え、さらには飛び入りでこのワークショップに参加されたFrançoise Callier Angkor Photo Festivalディレクター)が見守る中、ポートフォリオをまとめるための実践的なヒントを分かりやすく順を追ってレクチャーされました。

  まずは実際にどうやって自分のポートフォリオを磨いていくのか?編集者やギャラリストにうまくアプローチするためのポートフォリオとはどういうものか?という内容に入っていきます。

 実は写真の並べ方・順番にもコツやリズムがあり、そのプロジェクトで最も重要且つ強いイメージを持つ写真は何番目と何番目に配置したら良いのか?など、普段あまり聞く機会のない、レビュワーからのシビアな視点を交えながらポートフォリオづくりに関して具体的に話が進んでいくと、参加者もどんどん説明に見入っていきます。写真家が最も苦労するポートフォリオにおける写真のセレクトやエディットをする上においてのヒントがたくさん散りばめられていました。同時に、ポートフォリオに対するステートメントはどのように文章を組み立てるのかなども学んでいきます。

 どういう文章のまとめ方をしたらレビュワーに伝わりやすいのか?など、過去に成功されている写真家が制作したプロジェクトの例を参考に挙げながら、さらに分かりやすく話が進んでいきます。

 次に、実際にポートフォリオレビューを受ける際のヒントに移っていきます。

 レビューに臨む際の準備はどうしたら良いのか?例えばプリントが良いのかブックはどうなのか?どのような会話をしていくのが有効か?レビュワーから作品についてのアドバイスをもらった場合はどう考えるのか?など、具体的な質問内容を交えながら、プレゼンのコツを理解していきます。その他、レビュー後のアプローチの仕方、例えば好感触を得られた場合の連絡の取り方や、自分の名刺やホームページを作る上においての重要なポイントなど、細かく伝授されました。

 あと、世界各国で開催されている写真祭・ポートフォリオレビューの紹介へと進みます。それぞれの写真祭の特徴や会場の規模、作品のレベルなど、実際に色々と参加してみたくなるような興味深い話を数多くしていただきました。また、優れたプロジェクトが掲載されているウェブサイトの情報なども細かく教えて頂きました。

ひととおりの講義が終了し、休憩を挟んだ後、Amber Terranova Laura Pressley、さらにFrançoise Callier を交えた3名が参加者全員のポートフォリオを1人ずつ解体し、再セレクト~エディットしていくという、大変豪華で貴重なグループワークが始まります。まずそれぞれが大抵2030枚ほどのイメージで構成されたポートフォリオを無造作にテーブルの上に提示します。すると、3名の講師が意見を出しあいながら、次々と並びを変えたり、不要なイメージを削ぎ落としたりする作業が素早く展開されていきます。参加者全員が食い入るように見つめる中、2030枚あったイメージはだいたいの場合10枚程度に再構築され、1名につき10分弱という短い時間にもかかわらず、あっという間にポートフォリオの質が上がり、作品として昇華されていくのが分かります。セレクトとエディットの仕方で大きく変貌していくポートフォリオはまるで手品や魔法をみているかのようでした。

 あまりの早業に思わず参加者からも自然と感嘆の声や拍手が聞こえてくるぐらいの盛り上がりで、目の前でショーが繰り広げられているかのような見応えのあるものとなりました。

 まだまだ日本でこのようなワークショップは数少ない中、世界でも有数のキャリアを持つ講師と直にふれあい、手ほどきをしてもらえるという、六甲山国際写真祭を締めくくるにふさわしいとても貴重で充実感のあるワークショップとなりました。最後に講師の御三方に対して六甲山国際写真祭のディレクター杉山武毅さんが、こういう実践的なワークショップを今後もっと増やしていきたいと話されていたのも印象的でした。

 実際参加してみて、こういうワークショップはとても刺激的で勉強になりますし、特に関西ではなかなか機会も少ないので、今後も色々と行われるのならぜひまた参加を検討してみたいと思いました。

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投稿者/オカモト ヨシ