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福井の写真コミュニティーを訪ねて

By |2015-11-30T20:33:00+09:0011月 30th, 2015|2015, NEWS, Organization, RAIEC|

昨日一昨日と福井県福井市を拠点とする写真コミュニティーを訪ねてきました。 もともとは六甲山国際写真祭のポートフォリオレビューに参加された写真家の一人が中心に立ち上げた写真コミュニティーですが、地域のデザイナーを中心に写真愛好家たちが集まって構成されたグループです。面白いのは、福井駅前にある新栄商店街という古い商店街の地域産業振興NPO「きちづくり福井」の中に様々な部活動を取り入れた一つの部として写真部の活動を行っている点で、来年開通予定の北陸新幹線南伸を機に地域の活性化を担う若い世代が沢山集まっているのが大変印象的でした。ワークショップは商店街のNPO拠点とSANKAKUという強力なコミュニケーションベースを使って行われました。 RAIECとしてのミッションは、地域コミュニティーにある写真活動の拠点作りを応援することです。そのために写真が社会に果たす役割や写真アートの重要性を理解してもらえるようなセッションを持ったり、写真コミュニケーションの手法を広げ、写真の理解を深めることにあります。六甲山国際写真祭の参加者の皆さんはおそらくRAIECのそういう方針についてよく理解されていると思いますが、今回の訪問は六甲山の活動が地域の写真活動と直接つながって写真コミュニティー作りに参加する初めてのケースとなりました。 @福井駅前 初日は小雨の中、地域産業新興NPOを訪れ、代表の方や写真家の皆さんと交流しました。福井駅前には古い商店街があるのですが、過疎化や経済的な衰退といった地方都市ならどこでも抱えている問題から商店街の活気が失われていきました。それでも地域における産業振興の観点から様々なグループが商店街活性化のために立ち上がり活動を続けてきた背景があり、そのベース基地となっているNPOには様々な人々がゆるく関わりながら様々な部会を持ち、全体として福井市の産業活性化を狙っているわけです。 RAIECではこの趣旨に基づいて新たに設立されたFUKUI PHOTO ART CLUBという写真グループと交流し、そのグループが有意味な写真活動を展開し写真メディアアートを理解出来る写真家を育てる活動を支援する目的で第1回のワークショップを開催してきました。 @新栄商店街 2日目のワークショップでは、まず「或る日の福井」というゆるいテーマで撮影された写真家それぞれの写真のプレゼンテーションを受けました。参加写真家は6名。それぞれが感じた「福井」を撮影した写真、そしてその写真を撮影したそれぞれの写真家の思いを聞きながらプレゼンテーションが進められました。次に、RAIECが定期的に開催しているコミュニケーションワークショップの手法を用いて、それぞれの作家の写真をキーワードや印象などで一度分解し、その後参加者全員でそのキーワードを用いて写真家の作品を言語的に再構築するという作業を行いました。中には「仲間」や「消えゆく街」をテーマに、優れた作品を作っている作家もいて、熱心なコミュニケーションがはかられました。午後からは僕が用意した写真の理解を深めるための講義を行い、歴史上重要な作家と作品を共有してみました。エドワード・シュタイケンからブレッソン、キャパ、ダイアン・アーバス、ナン・ゴールディン、最近のアンドレアス・グルスキー、澤田知子まで、風景写真、ポートレイト、ファッションフォト、パーソナル写真、アート写真、ジャーナリズムの写真まで、それぞれがどのように評価されて価値を有するに至ったのかを具体的なイメージを用いて説明してみました。また、現代の写真についてPhoto Lucida Critical Massの最終50名の写真からピックアップして提示しました。 @取り壊され新たに道路になる工事現場 最後に、神戸から参加いただいた徳平さんが福井でわずか2日間で撮影した1200枚の写真を提示し、作品を作るという点で技術的な要素は確かに必要だけれど、とにかく撮影することとそこから意味のある写真を抽出する努力をすることの大切さを説明していただきました。 @ワークショップの議論の様子 福井を訪れて印象的だったのは、若い世代からご年配の方に至るまで、街を愛し街のこれまでとこれからを共に考えてまちづくりをしていこうとする強い気持ちです。まちづくりに関しては様々な枠組みが同じ気持ちを持ちながらいきいきと活動をしており、商店街にも活気が戻りつつあるようで、これからの新しい街を作りたいという気概のようなものが強く感じられました。写真の歴史や過去の写真の膨大な価値について教育を受けたことがない人たちがいきなり優れた作品を作ることはなかなか難しいのですが、今回のワークショップで写真の根底にあるべき広大な装置を発見し理解することで一人でも多くのアーティストが福井から飛び立っていくことを願っています。それが結局は社会に根ざした地域の強い活動をささえる原動力になると感じられるものであればいいと思います。福井の皆さん、ありがとうございました。 @同じNPOに所属する民謡部会の忘年会に乱入 RAIECでは、国内海外にかかわらず、写真と町、写真と社会とがつながるような活動に対して支援をしていこうと考えています。出張ワークショップの開催を希望される方は是非ご連絡をお願いいたします。 info@rokkophotofestival.com

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