六甲山国際写真祭2015にレビュアーとして参加してくださったタカザワケンジさんにお話を伺ってきました。

 

タカザワケンジさんは、1968年前橋市生まれ。91年早稲田大学第一文学部卒。

表現としての写真の可能性に関心を抱いて、写真作品とそれをめぐる状況についてリサーチを続けており、写真評論、写真家インタビューを雑誌に寄稿。

リサーチの一環として、写真集の編集も手掛けています。『Study of PHOTO 名作が生まれるとき』(ビー・エヌ・エヌ新社)日本語版監修、渡辺兼人写真集『既視の街』(東京綜合写真専門学校{AG GALLERY)の構成と解説を担当。東京造形大学非常勤講師を務めるなど写真教育にも精力的に取り組んでいます。

 

タカザワケンジさんと六甲山国際写真祭との関わり

六甲山国際写真祭のことは以前から聞いたことがあり、興味は持っていました。2014年11月にフランスで開催されたPHOTO OFF PARIS でRAIECのディレクターでギャラリーTanto Tempoのディレクターでもある杉山武毅さんと出会っていろいろ話をさせていただいたのが縁で、レビュアーに呼んでいただきました。

 

Q1:  今までの六甲の全体的印象はいかがでしたか?

A:まず、六甲、神戸というロケーションがいいですね。海があって山があって、写真展巡りをしながら街を歩けるのがいいなと思いました。いい意味でこじんまりしていて、展示も屋内だけでなく屋外でも開催されていてバラエティ感がありました。

 

運営している方たちの顔が見えてフレンドリーなのも好感が持てます。それでいて、海外のレビュアーや写真家も参加していて、国際性があるのがすごくユニークですね。

 

自治体が運営していたり、東京で開催されていたりするイベントだと、構えが大きくなる分、形式的なことにとらわれがちになりますが、六甲は人間同士の交流の場としてすごくいいなと思いました。

 

 

Q2: 六甲に参加した日本人写真家についてどう思いましたか?

A:レビューでお会いした日本人写真家について言うと、作品のレベルにはばらつきがありました。作家としての意識ができている人もいれば、撮れてしまった写真を抱えてどうしようかと思っている人も、写真は趣味なのかなという印象の人もいました。そういう意味では、六甲をどういう場にしていくのかというのはこれから問われていくと思います。

とはいえ、海外のレビュアーも多く参加するイベントで作品を見せようとするだけあって、皆さん、ステートメントを書いてきたり、準備はすごくしてきているなという印象を抱きました。

 

 

Q3: 六甲に参加した外国人写真家と日本人写真家との間で違いはありましたか?

A:外国人の写真家でお会いしたのは展示作家の方々ですが、国際的なトレンドを意識している人が多いですね。職業的アーティストとして自分はこうするというのが明快なのが印象的でした。作家性のブランディングがはっきりしています。

これに比べると日本人はいい意味でも悪い意味でもアマチュア的な方が多いと思います。日本にはアートで食べられなくてもいいという風潮があったりしますが、海外で作家としてやっている人は覚悟を決めてやっています。

 

 

Q4: 日本の写真家にとって足りないところで気が付いた点はありますか?

A:写真作品と言葉の関係がまだまだできていない人が多いですね。ステートメントで、写真に写っていないものを言葉で説明されても困ってしまうんです。写真を言葉で補強するのではなくて、作品をちゃんと説明できれば面白くなります。

いい写真作品は必ず複数の読み方ができます。ステートメントでは作者が写真の中に何を読み取っているのかを提示してほしいです。写真作品と言葉の関係はなかなか難しいですが、作品化するには、自分の写真に何が写っているか、それが他の人にはどう見えるのか、何が読み取れるのかを考えるのが大切です。「自分はこういうつもりで撮った」ということが人にはそう見えないということがあるので。

 

そういう意味では、レビューなどの機会に人に見せることによって足りないものを考えるきっかけを得たり、「わかるよね」では済まない外国の人に作品を説明することは、意義があると思います。

 

 

告知など

神保町の「The White」で「 Osamu Kanemura’s New Work? 」という展示を行います。これは同会場で2015年6月23日から7月4日に開催された金村修さんの「 System Crash for Hi-Fi 」展の複写と、金村さんの写真集および金村作品と関連性のある写真集の複写で構成される展示です。会期中の1月16日(土)19:00には、関連イベントとして「写真とアプロプリエーション(盗用芸術)」というレクチャーを行います。16日が満席のため23日(土)19:00より追加レクチャーを行います。

企画展 タカザワケンジ「 Osamu Kanemura’s New Work? 」
2016年1月12日(火) 〜 1月23日(土)
13:00〜19:00 会期中無休

レクチャー 「写真とアプロプリエーション(盗用芸術)」

日時:       2016年1月23日(土)19:00~20:30

受講料:1,000円

定員:       20名

要予約:mail@sawadaikuhisa.com

 

会場:

The White

東京都千代田区猿楽町2−2−1 #202

営団地下鉄 神保町駅A5出口から徒歩5分

JR 水道橋駅東口から徒歩8分

営業時間: 13:00〜19:00 会期中無休

http://the-white-jp.com/exhibition/20160112_takazawa.html

 

インタビュー/ 石井 陽子

 

投稿者/オカモト ヨシ