Monthly Archives: 2月 2016

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Mei Houseワークショップで見えたもの

By |2016-02-23T03:36:44+09:002月 23rd, 2016|2016, Mei House, Mt.ROKKO, NEWS, RAIEC, Workshop|

2月19日から21日、2泊3日のワークショップが六甲山Mei Houseにて開催されました。 今回は写真のテーマの見つけ方、写真編集の大切さと実践、ステートメントの作り方、そして出版の仕組みなど、内容的には非常に盛りだくさんのワークショップだったと思います。かなりハードスケジュールでしたが、参加者の体調を見ながら、無事に全セッションを終えることができました。 昨今、写真に関するワークショップが多岐にわたり開催される中、僕としては六甲山のMei Houseを舞台に、国内にはない特徴のあるワークショップ内容を組み立てるのに腐心したわけですが、アメリカからAmber Terranova氏という六甲山国際写真祭のポートフォリオレビュー、ワークショップでおなじみの写真編集者、そしてここまで3ヶ月間日本で東北地方の震災後の取材を続けてきたMichel Huneault氏、パーソナルワークを立て続けに3冊写真集にまとめて出版している藤原敦氏、Getty Imagesのニュース編集者Yuki Tanaka氏、コミュニケーションの講師として福岡大学のTim Cross氏を呼び、台湾からの参加を含む9名の参加者とともに写真についての活発なディスカッションをしました。 特に、Amberが提示したアメリカミシガン州Flintという街を舞台にした地域コミュニティの光と影、さらに最近話題になった川の汚染問題にさまざまな形で関わりながら撮影する写真家の物語の作り方が非常に面白く、おそらく国内の写真家の視点にはない被写体へのアプローチとストーリーの組み立て方、そして作品の提示方法など、参加者のみならずあらゆる関係者が度肝を抜かれる内容だったと思います。それはもはや写真という枠を超えて、メディアという枠のもっとも先端の尖ったトゲのようなリアリティーのある物語で、みたものの胸に鋭利に突き刺さるようなストーリーでした。 Amberの企みは、写真という枠にとらわれるのか、その枠の向こうに突き抜けるのか、というメディアのありかたの大前提について問うことだったと思います。すでにアメリカでは写真から動画や360度全天球、VRにシフトするアーティストが出始めていて、写真とともに動画を用いてインスタレーションを試みたり、VRなどの作品を並列して展示するなどの方法論についての議論が活発です。従来の展覧会、出版をこえて、すでによりリッチなメディアとして公開する大きなプロジェクトがあちらこちらで動いていて、そういうところにより大きな資金が集まり始めています。個人的に見せてもらった現在動き出しているプロジェクトでは、プロデューサー、アートディレクター、写真家、編集者、音楽家、デザイナーなどがチームを組み、資金集めチームと協業してプロジェクトを進めていく新しいメディアを創設しようとしていて、おそらく現在の出版の賑やかしさなども遠く置き去りにされていくのではないかと考えられるほどリッチで高品位なメディアに育っていくと考えられます。 今回、直前に参加が決まったMichelもそういう写真家の一人です。彼は2013年7月にカナダのLac-Méganticという小さな街で起こった列車事故と、その列車事故が不幸な事故にとどまらず原油を輸送していたことから大きな火災を発生させ、さらにその原油が違法な積載物であることがのちに明らかにされ、土壌や近くの川を汚染させた一連の出来事を取材したシリーズを見せてくれました。列車事故だけでも悲惨であったはずのものが、環境破壊などといったスケールに発展し、平和な町が瞬く間に修羅場と化した事実について、写真家は事故の一報をニュースで知ると、わずか20時間で現地入りし撮影を続けてきました。その後何日間も取材し、息子を亡くしたという父親のインタビューや、町を覆うように作られた奇妙なフェンスを取材し、そしてその後の町の移り変わりなどについても繰り返し繰り返し取材したといいます。この作家も写真にとどまることなく、音声やビデオを使ったインスタレーションを試みていて、写真をよりリッチななメディアに押し上げて発表しているのが特徴でした。 2日目、参加者のプロジェクトがプレゼンされました。参加者は思い思いに自分の作品について話すよう促されるのですが、ここでは日本の、特にこういったプレゼンテーションに不慣れな方特有の説明の足りなさ、感覚的情緒的説明、写真からはうかがい知れない事象への言及などが多く見られました。それが最終日にどのような変化を遂げるのか、というのが今回のワークショップの主眼であるわけで、その後にGetty Imagesの田中さんからニュース素材の編集の仕事、Amberが参加者の作品を編集するというセッション、またコミュニケーションを通じて自分の作品を客観的に眺め、編集を取り入れた作品の選び直しを求めるなどのコメントや意見が交わされました。 夜には藤原さんに3つの出版プロジェクトの編集過程を講義をいただきました。藤原さんには、故長谷川明さんと出版したAsphaltのシリーズの編集プロセス、また自身の3つの写真集の編集について、ユーモアを交えて話していただきました。彼は編集そのものは編集者に任せていて、編集されて返ってきた作品を見ることで客観的な地平から自分の作品を見直していくというプロセスが自分には合っている、ということでした。AmberもMichelも基本的にはそれに同意的で、他者の視点を置くことで写真家は冷静になれるし、誰に提示されるべきか、どう提示していきたいのか、という視点が加わることは何より大切だと話していました。 さらに、出版のプロセスに欠かせない知識を得る場として、印刷所のマネージメントを行う京都・サンエムカラーの飯田さんに講義をいただきました。カラーマネージメント、オフセット印刷の原理を、実際にインクを載せる刷版やカラープルーフ原稿を持参していただきわかりやすく講義をしていただきました。特に、カラーマネージメントの困難さについて、「コンピューターのモニタ画面を見てこの色が欲しい」といくら求めたとしても、実際の色の解釈があらゆるデバイス間で翻訳されて渡されるという現実から、同じ色に整えられることはほぼないため、写真集の場合はプリントとは異なった製作物であると割り切っていく必要があると話されていました。 3日目、参加者の2回目のプレゼンテーションがありました。3日間の学びから編集とステートメントを改良してプレゼンテーションに臨みました。多くの参加者は、より客観的でシンプルなステートメント、さらにいくらか写真を入れ替えてプレゼンテーションをしていました。その結果、より写真についての理解が進み、その後AmberやMichelからコメントやアドバイスを受ける機会が増えてました。 Mei Houseでの3日間を終えて、どのような印象を受けたのかAmberとMichelに翌日尋ねてみました。ワークショップ自体は、アメリカではジャーナリズムのワークショップに近く、基本的な要素組み立てを含むなど、初心者にも上級者にも有効な方法をとったワークショップとの印象をもったということです。さらに、日本人のプレゼンテーションが独特で、私的で感覚的、信仰的、抽象的な用語が多いことに驚いていました。また、参加者全体に共通する問題点として、選ばれた写真にばらつきがあり、それぞれが強くないため何を伝えたいのかわからないケースが多かったが、2度目のプレゼンテーションでは多くは改善されていて、編集を変えるだけで見違える作品が多かったとのこと。つまり、やはりより客観的な他者からの指摘に応えていく形で写真のメッセージを磨いていくと、写真のストーリーはもっと効果的に伝わっていくのではないか、ということでした。世界的な写真への理解が足りない点への言及もありました。 3日間、びっしりと詰まったワークショップでしたが、参加者の皆さん、ご苦労様でした。これからもMei Houseの写真プログラムは、国内にないワークショップを六甲山や東京で試みていきます。特に、写真表現にとどまらず、今後発展していく可能性のあるメディアの手法を取り入れた世界最先端の表現方法などの検討を、NYに本拠を置くプロジェクトと共同で開発していく予定です。 [...]

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Additional Info/Portfolio Review Entry Is Now Open

By |2016-02-18T13:01:50+09:002月 18th, 2016|2016, Eng, Mt.ROKKO, NEWS, Organization, Portfolio Review, RAIEC|

Here is additional info about Mt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTO FESTIVAL portfolio review application. We have three application fee reduction program for international photographers. Early [...]

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Portfolio Review entry is now open! Deadline April 30

By |2016-02-17T17:30:18+09:002月 17th, 2016|2016, Eng, Mt.ROKKO, NEWS, Organization, RAIEC|

Portfolio review application is now open for the Mt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTO FESTIVAL 2016. From this year, we are open to the oversea photographers. [...]

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展覧会「境界線を越えて」大阪ニコンサロンにて/後編

By |2016-02-16T18:15:42+09:002月 16th, 2016|2016, Experience, NEWS, Story|

前編/http://rokkophotofestival.com/blog/?p=12533 石井さんの作品について 杉山:石井さんの作品は、言うまでもなく日常的に町や町の人々に混じって鹿が闊歩する光景を収めた写真です。犬や猫であれば生活の中に馴染む見慣れた風景も、石井さんにとっては驚くべき光景だったということが撮影を始めたきっかけだったのです。普段であればあまり意識しない「鹿」という存在が、写真の中では生き生きととらえられていて、私たちにとっての鹿と町、人々との思わぬ関わりを知らせてくれる非常に見応えのある写真シリーズに仕上がってきたわけです。 そのことを知ったのは、2013年に初開催した六甲山国際写真祭のポートフォリオレビューに参加された時でした。それまでも、またそこからさらに努力を重ねて写真を撮影し続け、現在の展覧会につながってきたわけです。       写真は基本的にドキュメンタリー、ジャーナリズムの手法を取っていて、感情的な要素、あるいは恣意的なアートの要素を可能な限り排除していることがわかります。目の前で繰り広げられる鹿の様子を正直に、端的に見せることの方が、アートのような要素を加えるより、鹿と町、人々とのつながりの実態をうまく伝えられると考えたからにほからないないでしょう。また、ジャーナリズムの手法でもっとも大切なことは、情報の正確さ、幅を得るために、現場にもどって撮影を続けることです。石井さんは、雨の日も、風の日も、暑い日も寒い日も、時間があれば泊りがけで奈良公園やその周辺に取材し、本当に膨大な量の鹿の生態の記録を取り続けてきました。 その後、何度かお目にかかるうちに、その努力の結果が次第に明らかになってきました。作品は、奈良や宮島での生態だけではなく、シビエ食や、いわゆる鹿害といわれるものへと拡張されていったのです。こうやって、石井さんは自他共に、また名実ともに「鹿写真家」を名乗るようになりました。もはや日本で鹿を撮らせたら右に出るものはいないことは間違いがないことです。そしてその努力は色々な方面で認められつつあります。まず、一昨年2014年に六甲山国際写真祭のレビューワーとして招いたアンコール・フォト・フェスティバルのフランソーワーズ・キャリエ女史に認められ、その年の12月、カンボジアでスライドショー作家に選抜されました。また、しかしか写真集出版、ニコンサロンでの展覧会と、次第にその活動が認められてきています。   石井:まず、「鹿写真家」として認知していただくことが大事だと思いました。アートなのかドキュメンタリーなのか悩んだ時期もありましたが、ファインアートではないけれど、人に影響を与えることはアートじゃないか?と思いました。 今回、仲よくさせていただいている土産物店(よく鹿が遊びにくる物産店)の方に写真集をお見せしたのですが、もう見かけなくなってしまった鹿たちが写真集に入っていることをとても喜んでくれ、涙してくれました。記録するということも大事だなと思いました。 石井:今回の展覧会は、奈良、宮島で鹿が街の中を歩いているシリーズでしたが、今後、神の使いとして神社、仏閣に入り込んでいる鹿のシリーズや北海道、九州の鹿、また、人間の都合で害獣として駆除されている鹿についてもまとめたいと思っています。   この展覧会を通じて今後六甲山国際写真祭に参加を検討している人たちへ一言 石井:六甲では海外からとてもレベルの高いレビューワーや写真家が参加する、まさに国際的な写真祭です。また、20分間しか会話の機会がない一般的なポートフォリオレビューとは違い、3日間、寝食を共にして写真のことを熱く語り合うことで、切磋琢磨しあえる作家仲間もできます。まさに、これが写真のコミュニティなんだと思います。私自身にとってもとても大切な場所なので、このコミュニティを守り、さらに発展させていくために私たち作家たちも一緒に貢献していくのが大切だと思いますし、それもまた楽しくやりがいのあることだと思います。   インタビュー/ 尾崎 ゆり 記録写真/  松井 泰憲 投稿者/ オカモト ヨシ   [...]

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Mei Houseとは?

By |2016-02-13T09:53:42+09:002月 13th, 2016|2016, Mei House, Mt.ROKKO, NEWS, Workshop|

2月19日から六甲山上のMei Houseにおいて写真ワークショップのプログラムが始まります。 Mei Houseは、2014年2015年のMt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTO FESTIVALの宿泊、レセプション会場として使われた宿泊施設です。2014年に偶然見つけて、オーナーの方に無理にお願いして六甲山国際写真祭の宿泊施設として使わせていただくことになりました。素晴らしいロケーションと景色、宿泊してみるとアットホームなまとまった雰囲気があること、そしてオーナーのケアが行き渡っていることなど、この上ないMt.ROKKO体験ができる素敵な場所であることから、いつか定期的なワークショップ開催ができればと六甲山国際写真祭の参加アーティストやレビュワーたちと夢を語っていたのが実現したものです。最大18名宿泊が可能で、景色のいいテラスをもち、暖炉のある大きなダイニングやちょっとしたミーティングが可能な本格的会議室があります。自炊できるキッチンもあるため、宿泊しながら濃厚なワークショップ開催が可能です。夏には施設内テラスでBBQが可能で、2015年にはなんと60名近い参加者を収容してプレゼンテーション、レセプションを開催しました。 今後RAIECでは、Mei Houseを使用して国内海外からの有力な専門家を呼び、写真アートやメディアに関するワークショップを開催してまいります。 現在のところ、7月に写真コミュニケーションワークショップを予定しているほか、8月25日から開催予定のMt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTO FESTIVALでは、宿泊、ワークショップ会場となる予定です。 お楽しみに。  

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展覧会「境界線を越えて」大阪ニコンサロンにて/前編

By |2016-02-12T10:51:33+09:002月 12th, 2016|2016, Experience, NEWS, Story|

第1回、第3回と六甲山国際写真祭のポートフォリオレビューに参加された石井陽子さんの展覧会「境界線を越えて」が銀座ニコンサロンと大阪ニコンサロンで開催されました。   大阪ニコンサロンに踏み込むと、たくさんの鹿の情景。これだけの力作を展示するとなると大変なご苦労と時間と努力(コストも)があっただろうなぁととても感銘しました。 奈良と宮島の鹿の展示でしたが、奈良の写真は鹿たちが夜眠る森から春日大社への朝の出勤風景だという話や宮島の写真は海に鹿がいるという情景の面白さと、宮島の鹿は夜も活動しているので不良の鹿が撮れるという面白いお話がありました。また、鹿を撮る際の苦労話や杉山氏をはじめ、いろいろな出会い、今後の事など、石井陽子さんとディレクターの杉山氏とのトークショーをレポートいたします。   なぜ「鹿」? 石井: 2012年3月に仕事で奈良に出張しました。せっかくなので、朝早く写真を撮りにいったら、道路の真ん中に鹿のカップルがいて、人がいなくなった廃墟に鹿がいるというようなイメージが見えた気がして鹿を撮り始めました。 。その頃は震災の後で世の中が暗く、御苗場で出展したときも福島のはぐれ牛と重ねて見る方が多かったです。普通の街の風景と違う風景が見えるのがとても魅力的でした。   杉山さんとの出会いと今回のトークショーへの心境 杉山:「鹿写真家」として認知され、自費出版ではなく企画物としてリトルモアから写真集「しかしか」を出版し、今回ニコンサロンでの展覧展となったことを非常に喜んでいます。 石井さんと初めてお会いしたのは2012年9月23日に三鷹で開催された小さな写真イベントでレビューをした時にお目にかかったことがきっかけだったと記憶しています。 その頃、ギャラリーとしてアート写真を主に取り上げていた関係もあって、石井さんの作品に関してあまり興味を持てず、いい評価を伝えることができなかったのをよく憶えています。   石井: その時お見せしたのは、奈良の鹿とインドネシアのバリ島で撮った鹿の写真でしたが、まったく興味を持っていただけなくてがっかりしたことをよく覚えています。 2 度目にお会いしたのは2013年8月1日に渋谷で開催されたフォトラウンジの時です。杉山さんはその年の11月に開催することになっていた第1回の六甲山国際写真祭の紹介をプレゼンされて、私は奈良と宮島の鹿のシリーズをプレゼンしました。この時に、六甲のポートフォリオレビューの事前審査を受けてみたら?と杉山さんに勧められて、「あ、少し鹿プロジェクトを認めてくれたのかも」とすごく嬉しく思いました。審査に通って、2013年11月に第1回の六甲で写真合宿ともいうべき濃密な時間を過ごしてからは、杉山さんは私の中で最も大切な評価者の一人になっています。   杉山: 彼女の活動はFacebook等でずっと見ていました。会っていない間にも、ものすごい量の写真と撮ってきて、奈良へ撮影に来るたびに神戸のTANTO TEMPOにも来てくれました。「鹿」という概念が覆され、いいシリーズになるんじゃないか?と思い、六甲国際写真祭への参加を託しました。彼女が目指しているものが見えるようになりました。 [...]

展覧会「境界線を越えて」大阪ニコンサロンにて/前編 はコメントを受け付けていません。