展覧会「境界線を越えて」大阪ニコンサロンにて/前編

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展覧会「境界線を越えて」大阪ニコンサロンにて/前編

第1回、第3回と六甲山国際写真祭のポートフォリオレビューに参加された石井陽子さんの展覧会「境界線を越えて」が銀座ニコンサロンと大阪ニコンサロンで開催されました。

 

大阪ニコンサロンに踏み込むと、たくさんの鹿の情景。これだけの力作を展示するとなると大変なご苦労と時間と努力(コストも)があっただろうなぁととても感銘しました。

奈良と宮島の鹿の展示でしたが、奈良の写真は鹿たちが夜眠る森から春日大社への朝の出勤風景だという話や宮島の写真は海に鹿がいるという情景の面白さと、宮島の鹿は夜も活動しているので不良の鹿が撮れるという面白いお話がありました。また、鹿を撮る際の苦労話や杉山氏をはじめ、いろいろな出会い、今後の事など、石井陽子さんとディレクターの杉山氏とのトークショーをレポートいたします。

 

なぜ「鹿」?

石井: 2012年3月に仕事で奈良に出張しました。せっかくなので、朝早く写真を撮りにいったら、道路の真ん中に鹿のカップルがいて、人がいなくなった廃墟に鹿がいるというようなイメージが見えた気がして鹿を撮り始めました。

。その頃は震災の後で世の中が暗く、御苗場で出展したときも福島のはぐれ牛と重ねて見る方が多かったです。普通の街の風景と違う風景が見えるのがとても魅力的でした。 078

 

杉山さんとの出会いと今回のトークショーへの心境

杉山:「鹿写真家」として認知され、自費出版ではなく企画物としてリトルモアから写真集「しかしか」を出版し、今回ニコンサロンでの展覧展となったことを非常に喜んでいます。

石井さんと初めてお会いしたのは2012年9月23日に三鷹で開催された小さな写真イベントでレビューをした時にお目にかかったことがきっかけだったと記憶しています。

その頃、ギャラリーとしてアート写真を主に取り上げていた関係もあって、石井さんの作品に関してあまり興味を持てず、いい評価を伝えることができなかったのをよく憶えています。

 

石井: その時お見せしたのは、奈良の鹿とインドネシアのバリ島で撮った鹿の写真でしたが、まったく興味を持っていただけなくてがっかりしたことをよく覚えています。

2 度目にお会いしたのは2013年8月1日に渋谷で開催されたフォトラウンジの時です。杉山さんはその年の11月に開催することになっていた第1回の六甲山国際写真祭の紹介をプレゼンされて、私は奈良と宮島の鹿のシリーズをプレゼンしました。この時に、六甲のポートフォリオレビューの事前審査を受けてみたら?と杉山さんに勧められて、「あ、少し鹿プロジェクトを認めてくれたのかも」とすごく嬉しく思いました。審査に通って、2013年11月に第1回の六甲で写真合宿ともいうべき濃密な時間を過ごしてからは、杉山さんは私の中で最も大切な評価者の一人になっています。

 

杉山: 彼女の活動はFacebook等でずっと見ていました。会っていない間にも、ものすごい量の写真と撮ってきて、奈良へ撮影に来るたびに神戸のTANTO TEMPOにも来てくれました。「鹿」という概念が覆され、いいシリーズになるんじゃないか?と思い、六甲国際写真祭への参加を託しました。彼女が目指しているものが見えるようになりました。

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石井: 杉山さんには、作家として真摯に作品作りをしていないとすぐに見抜かれてしまうので、いつも緊張していますし、それだけに認めてもらった時の喜びはすごく大きいです。なので、今回、トークショーへの出演を受けていただいたのはとても光栄で、格別の嬉しさがあります。

今にして思うと、初対面の後で「あ、この人は私の作品に興味ないんだ」って決めつけて、その後話しかけなかったら、今の自分はこうしていないわけで、縁をはぐくんでいくのが大事なんだなって思います。

 

六甲山国際写真祭から展示・出版までの道のり

石井: 鹿シリーズは、海外での評価のほうが早かったんです。第1回の六甲国際写真祭でお会いしたイトウツヨシさんが主宰するオンワード・コンペに応募してファイナリストになったのが2014年2月で、同じく2014年の4月に開催された六甲の東京サテライトイベントの展示で後藤由美さんに出会ってマレーシアのオブスキュラ・フェスティバル・オブ・フォトグラフィーでの展示の機会をいただき、2014年8月の2 年目の六甲で出会ったフランソワーズ・キャリエさんのセレクトで同年12 月にアンコール・フォトフェスティバルでスライドショー上映していただきました。このころから、Lens Culture やFeature Shoot、Wired.com、The Independent など海外のWEB サイトや新聞に連鎖反応的に紹介されるようになりました。

昨年1月から3月にかけて開催されたタカザワケンジさんの「ゼロから作る写真集づくり」というワークショップでポートフォリオを組んだのですが、この講座が終わる時にタカザワさんから、「じゃ、これを持ってリトルモアに行ってみましょうか」とご紹介いただいて、写真集の出版が決まりました。せっかく本が出るのだから、出版のタイミングでどこかで展示ができたらいいなと思って、ニコンサロンに応募したところ、審査に通って初個展を開催できることになりました。

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インタビュー/ 尾崎 ゆり

記録写真/  松井 泰憲

 

投稿者/ オカモト ヨシ

2016-02-12T10:51:33+00:00

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