Mei House WSにこの度講演者としてお招きいただきました、Getty Images Japan報道担当の編集者田中ゆきです。

Mei House WSではいわゆる美術写真だけではなく、ストーリーを伝えるための写真、にフォーカスをおかれていらしゃるのがとても興味深いと思います。わたしの仕事は、『報道写真』―わかりやすく言うと『ニュースやストーリーを多くの人に伝えるための写真』―を作ることなのですが、このような分野について、もっとたくさんの人と気軽に話し合える機会があればな、と常々思っていましたので、このような貴重な機会をいただき大変光栄でした。

 

私のプレゼンでは、1)自己紹介 2)どのようにストーリーを探すか 3)私が関わった日本で撮影された報道写真の例 をお話しさせていただきました。

 

1) 日本国内ではフォトエディター(写真編集者)という職業はあまりなじみがないかと思いましたので、どんな経緯でこの仕事についたのか、どのような仕事をしているのか、を自己紹介を兼ねてご紹介させていただきました。ライターとカメラマンがそれぞれ別のスキルを持っているように、編集者にも文字の編集をするエディター、写真を編集するフォトエディターと住み分けがされている場合があります。

私は米国の大学でジャーナリズムやメディアを学び、その後フォトグラファーやフォトエディター・広報などとして仕事をした後、今のポジションにつきました。仕事の内容は、主には日本・韓国でのニュース・エンターテイメント・スポーツの取材の企画やカメラマンの手配をしています。

 

2) どのようにストーリー・テーマを探すか、ですが私の場合は、世界中のメディアのために報道写真を作っていますので、世界で注目されているトピックについて日本・韓国ではどのような取材ができるか、日本・韓国で起きている出来事が世界では興味をもたれる要素があるか否か、について考えながら何を取材するかを決定します。そしてトピックが決まったらそれが写真で上手に伝えられる内容かを考えます。

そしてそのトピックはどのようなスタイルの写真なら多くの人の心を動かす事ができるか、をフォトグラファーと一緒に考えながら、ストーリーに仕上げていきます。

 

3)昨年10月まで一緒に日本で勤務していたフォトグラファーChris McGrath氏が撮影した長良川の鵜飼、横須賀の高等工科学校の取材をご紹介しました。

 

さて最後に全体的な感想ですが、まずロケーション、六甲山の山の中のステキなコテージ Mei House、これがなんといっても最高でした。冬のぴりっとした空気の中、きらめく神戸の夜景を見ながら、暖炉の火にあたって、ほっこりといろいろな国からきた同じことに興味をもっている同士たちと写真や写真以外のことについて英語や日本語であれこれ話す…なんて贅沢かつ生産性のある時間…

Amber Terranova氏、Michel Huneault氏のプレゼンをみて共通して感じたのは、プロジェクトの進め方が流動的であること(テーマも発信目的も共に個人→社会と発展する点)やマルチメディア(映像や音)の一部としての写真という要素が強いこと、ストーリーをより多くの人に、よりインパクトのある形で伝えるためには、もっと自由に可能性を探ることができるのだなー、とてもワクワクした気持ちになりました。

InstagramiPhoneのおかげで、写真というと、芸術、美術ではなく、個人のストーリーを伝えるためのツールとしてかなり定着しましたが、これからもっと写真や映像などで社会をよりよく変えるようなストーリーを伝えたい、と思う人が増えるといいな、と思いました。

Mei House WSはそのような人にぴったりのワークショップではないでしょうか。

 

 

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