前編/https://rokkophotofestival.com/blog/?p=13604

 

●撮影プロセスについて

「あなたの一番好きな場所はどこですか?」

これはこのプロジェクトにおいて、被写体となる人を撮影するときに必ず聞く質問です。
被写体を撮影する場所が家の中であれば、その人が一番好きな場所、またはいつも定位置として座る場所などでしょうか。
住居はその人のアイデンティティーが分かり易く、且つ色濃く見える場所であるため、相手が指定する場所があれば私は迷わずその場所で撮ります。
住居(環境)と人がセットになったとき、それまではぼんやりとしていた被写体の人間像が突如として個性的に浮かび上がることがあります。
これは私にとって非常に重要な要素となりました。

 

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撮影スタイルに関して言えば、このプロジェクトでは非常にオーソドックスな手法で撮影しているので特筆することはありません。
むしろ技術的なギミックを多用することはこのプロジェクトの本質を見誤る可能性があるので、積極的に退けました。

また、昨今はインターネットでのSNSの普及が加速的に進み、肖像権をめぐる問題も多々発生していることでしょう。
私も撮影した写真をインターネット上に掲載することがありますが、被写体となる方々には細心の注意と敬意を払い、丁寧に説明をした上で掲載致します。
必要に応じて「肖像権使用同意書」を作成し、それにサインしてもらうこともあります。
写真は被写体がなければ成立しない表現です。なので相手に対する敬意はとても大切なことだと考えています。

 

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●ポートフォリオ・レビューの成果について

六甲山国際写真祭のポートフォリオ・レビューは、
◆1人あたり20分間の個別のレビュー
◆広い会場で多くのレビュワーの目に触れるオープンポートフォリオ・レビュー
この二つがあります。
私は本プロジェクトである「Quiet existence」以外にもうひとつ別な作品を持参したのですが、個別のレビューでそれを見せることはありませんでした。
しかしオープンポートフォリオ・レビューで、それをレビュワーの永田陽一さんに見て頂く機会がありました。
後日永田陽一さんから連絡を頂き、彼が主催する「フラクションマガジン・ジャパン」への掲載が決まったのです。
このようなチャンスがあるということも、ポートフォリオ・レビューの醍醐味のひとつではないでしょうか。

Fraction Magazine Japan
http://www.fractionmagazinejapan.com/jpne/fractionjapan21/RyotaroHoriuchi.html