六甲山国際写真祭アフターレポート 「Enter the City 鼓動」 / 大西 正
第二弾が届きました、Mirage Galleryでの展示までの経緯と作品に込める思いをお話していただきました、大西 正さんです。 ____________________ 今回、招待作家として鈴木達朗さんとともにMirage Galleryで展示をさせていただいた大西 正です。 六甲国際写真祭については過去参加した友人たちから聞いており、自分にとっては少し敷居の高いポートフォリオレビューやワークショップの印象を持っていたので、展示で参加させていただけることになり驚いたとともにとても興奮しました。 「Enter the City 鼓動」これが鈴木さんと喫茶店で何時間も粘ってそしてふと降りてきたタイトルです。 二人とも東京の街中で写真を撮っており、展示を訪れる方たちに街、そして被写体・撮影者の鼓動を感じてもらえる展示にしようという思いが込められています。 スナップを撮る人(そもそも写真を撮る人)は個性というか我が強い人が多いと思いますが、ご多聞に漏れない我々二人の写真がせめぎ、そして呼応しあうような構成になったと自負しています。 私は自分の生活の中の一部として主に通勤中に撮影を行っているので、特別な瞬間を捉えたスナップではなく誰でも目にしているような光景を捉えていることが多く、それがすなわち私の属性である、東京近郊に住むサラリーマン、夫、父、路上撮影者の記録であるとも言えます。 写真は目の前の現実の複写であるとともに、統計などの数字ではとらえることのできない思いを記録することもできる装置です。 私は団塊ジュニア、ロストジェネレーションと言われる世代に属し、いささか社会や歩んできた生活に不満を抱いてきたこともあり、主に通勤中に捉えた光景はその思いが写りこんでいるように思います。 [...]