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写真祭をつくる学会をつくる

By |2013-06-21T01:52:09+09:006月 21st, 2013|Story|

何かシステムのようなものを新規に作るというのは本当に骨が折れる。しかし、既成のものを流用してくるよりは遥かに楽しいし、有意義に感じられる場合が多いだろう。でも、大きなことをしようとするとそれだけ人やお金が必要になるのだから、より大きなリスクを背負うことになると考える人も多いだろう。でも、おそらく、小さなことを無数に繰り返しても何も始まらないということをほとんどの人たちは気がついているはずだ。ではどうしてみんな知恵をしぼって集まらないのだろう。 Mt.ROKKO INTERNATIONAL PHOTO FESTIVALの運営母体として描いているRAIECという組織。基本的にはnon-profitで動く立場かと思う。この組織の構想はずっと前からあったのだが、写真に関連することを実施する組織として運営してみようと思ったのはごく最近だ。運営するイベントの利益を考えたときに、その最大の受益者が誰なのかを一度ちゃんと考えてみよう、という考えが根底にある。RAIECというのは、特別な組織、スペシャリテであろうとするのではなく、組織が本来的にどのような利益を得て誰とその利益を共有するのか、という点で緩くまとまっていさえすればいいというくらいに考えることから始めてみたというのが正確だろう。写真という構造の中で、写真家や写真に関連する産業が写真芸術の最大の受益者であるべきだという暗黙のトーンで写真の利益が長年語られてはこなかったか。もちろん、「暗黙」としているのは、それがある種日本の社会では当たり前だとされているからだ。医療もしかり。みんな、医療や写真の世界にいる人は、それぞれ医療や写真が特別なものであると思っているし、いつもそうあってほしいと信じている。 目の前にある小さな利益にありつく必要もあるだろうけれど、もっと大きなパイを焼いて社会と共有しながらよりおいしいものを食べる。こういうことを主体的に考えていく場がないものか。私の考えは、この一点からスタートしているといっていい。 例えば、私は写真ギャラリーを運営する立場にある以前にコレクターでもあるのだけれど、特に、関西には作品を買えるギャラリーは数えるほどしかない。これはニーズがないのだから仕方がないのだけれど、コレクターとしても写真ギャラリーを運営する側としても痛い。写真なんて見せてなんぼや、てな調子で値札すらないギャラリーもある。写真であるということとマーケットということとが密接ではないのだ。では、写真のマーケットはどんな風に作ればいいのか。 そう、写真のマーケットは一部の強いギャラリーが握っているかのように見えていて、実はGallery TANTO TEMPOのような小さな歴史のないギャラリーでも開設以来相当数の作品を売り上げている。プログラムが光れば、ちゃんと買い手がつく。強いギャラリーより単価が低いということはあるかもしれないが、単価に関係なく、ある種のコミュニケーションが成立することが何より大切なのだ。そのコミュニケーションを作家がもたらすとき、ギャラリーがもたらすとき、そしてもちろんエンドユーザーがもたらすことさえある。このコミュニケーションこそが、鍵だと思う。では、そのコミュニケーションとは何なのか。 欲しくもないハンドバッグに数万円を払う人はいない。写真ギャラリーで写真を見たときに、欲しい!と思うことがない限り、写真なんて売れっこない。では、どうすれば写真が欲しい!と人々に感じさせることができるのだろう。 そこで私が考えたのが、共通の特大のパイを焼くということと、そのために皆がそれぞれの利害をこえてもちうる英知を集結させて考えることだと思う。それは実践の場としての写真祭でもいいし、研究をする場としての学会のようなものがいい。 初めは小さな写真祭でいい。小さなエリアで、ごく少数の社会に届く選りすぐったプログラムを動かすだけでいい。最初は小さな研究会でいい。写真の理解を深めるという共通の話題で集まって、評論や表現を磨く場であってもいい。しかし、ある程度人が集まったら、ギャラリー部会などを立ち上げてマーケット研究をしたり、メディア部会でTVドラマのセットの小道具に作品を使うように導いたり、さらにお金が集まったら基金を作って国立写真大学や国立写真美術館をつくるためのロビイ活動をして、しっかりと写真を教育したり、コレクションする場を作ればいい。写真美術教育に議連を動員するのもいい。大げさ?私はぜんぜん大げさだなんて思っていない。そういうことを丁寧に、根気づよく、数十年かけて続けていけば、きっと写真を理解する人たちが育って、写真を手に入れる人がたくさん現れてくるのではないだろうか。 11月、そういう視点で立ち上げる写真祭、そして研究会がどんな風に受け入れられるのか。とても楽しみでもある。

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Stories of Mt.ROKKO/CENTER

By |2013-06-20T15:49:29+09:006月 20th, 2013|Story|

CENTER is one of the most powerful photography frameworks in the US and they host Review Santa Fe in Santa Fe, New Mexico [...]

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